多重債務

• 多重債務とは
• 債務整理とは
• 債務整理4つの方法
• 債務整理の手続きを始めると
• センターに相談すると
• 弁護士による借金問題無料相談会を実施
• ヤミ金融とは
• ヤミ金融の特徴と手口
• ヤミ金融への対処法

多重債務とは

サラ金、クレジット会社、銀行等からの金銭の借り入れ等により発生した債務が、本人の返済能力を超えること。特に、その返済のために更に借金をして債務が重なることをいいます

債務整理とは

借金がかさんで、毎月の利息すら払えない状況に陥ったら、生活の破綻を避けるために借金の減額手続き（債務整理）を行う必要があります。

消費生活センターでは、一人ひとりの状況をうかがって、その方に合った債務整理方法を一緒に検討し、生活再建のお手伝いをしています。

債務整理の4つの方法

任意整理

どこまで借金を減らせるのか

利息制限法の法定利息で引き直し計算した額以下

返済方法

1年から5年間以内で将来利息なしの分割返済

利用に適した人

裁判所が関与した債務整理を望まない人

メリット

弁護士・司法書士が債権者ごとに柔軟に借金の減額・分割金額回収を交渉する。
過払い金が発生していれば回収してくれる。

限界とデメリット

引き直し計算した額より大きくは債務を減らせない。
任意の話し合いのため、交渉に応じない業者に対する強制力はない。

特定調停

どこまで借金を減らせるのか

利息制限法の法定利息で引き直し計算した額

返済方法

原則として、3年36回以内で将来利息なしの分割返済

利用に適した人

自力で借金の整理をする意欲のある人
家賃、食費、光熱費を除いて、分割返済に回す収入のある人

メリット

弁護士・司法書士に頼まず、自分で手続きをすることが可能。
費用も貸金業者1社につき印紙代500円と郵送料程度なので安い。

限界とデメリット

引き直し計算の残高以上に借金の減額をすることは無理。原則として過払い金の回収は行わない。
特定調停終了後、返済が滞ると、給料・銀行口座を差し押さえられる可能性がある。

申立先

簡易裁判所

個人再生

どこまで借金を減らせるのか

利息制限法の引き直し計算した額の20％か100万円かどちらか高い額まで

返済方法

原則3年、最高5年で将来利息なしの分割返済

利用に適した人

安定した仕事に就き、収入に大きな変動が予想されない人。
家賃、食費、光熱費を差し引いて、借金の2割を分割返済できる収入のある人。

メリット

浪費やギャンブルが原因でも利用が可能。
借金を2割まで減額して、住宅ローンを支払える人は、住宅を手放さなくて済む。

限界とデメリット

申立手続きは、弁護士に頼まないと困難。
再生計画どおりの返済が不能となった場合、破産に移行することがある。

申立先

地方裁判所

自己破産

どこまで借金を減らせるのか

税金などを除き、借金をゼロ円にできる。

利用に適した人

自分の収入では、利息の支払いも困難な人。
日常生活をするだけの収入しかない人。

メリット

借金はゼロ円にできる（税金、罰金、養育費、婚姻費用、故意重過失による損害賠償を除く）。

限界とデメリット

自宅、資産価値のある車は手放さなければならない。生命保険も原則として解約する。
浪費、ギャンブル等が原因の場合、借金が免除されないことがある。

その他

資格制限はあるが、免責決定と同時に復権する。

申立先

地方裁判所

債務整理の手続きを始めると

1. 返済額を確定するために、請求が止まります。
2. 1日早く債務整理をすれば、1日早く生活再建ができます。
3. 返済する金額は、利息制限法の法定利息で、初回借入日から再計算します。（引き直し計算）
4. 今までに払いすぎていた利息は元金を返済したものとみなされるので、返済額が減少する場合があります。

注：金銭消費貸借上の利息の上限は「利息制限法」という法律で定められています。

• 元本が10万円未満の場合は年20％
• 元本が10万円以上100万円未満の場合は年18％
• 元本が100万円以上の場合は年15％

センターに相談すると

本人からの場合

債務や収支の状況をお伺いします。返済可能額から債務整理の目安をアドバイスします。本人の希望をうかがいながら、相談先や裁判所を紹介します。

ご家族や知人からの相談

債務整理の方法について説明します。

注：多重債務を解決するためには、本人の意思がとても重要です。できるかぎり本人から相談するようお願いします。

ヤミ金融とは

「ヤミ金融」とは、国または都道府県の登録を受けていない業者や、違法な高利で貸付を行う業者のことをいいます。

高利で返済期間が短く設定されるため、返済はすぐに行き詰ります。返済が遅れると、暴力的な取り立てや、本人だけではなく家族、親族、勤務先等へ執拗に嫌がらせをしてきます。

ヤミ金融の特徴と手口

高金利貸付

法定利息をはるかに超える高金利で貸付ける。例えば、10日で1割（年利365％）や、10日で5割（年利1825％）など。

090金融

事務所を持たず、チラシやインターネット等に携帯番号と業者名のみ記載して勧誘する。

押し貸し

多重債務者等の銀行口座に勝手に現金を振込み、後日、法外な金利で返済を要求する。

注：その他、融資保証金詐欺やシステム金融等、様々な手段でお金をだまし取ったり、高利貸し付けを行う。

ヤミ金融への対処法

1. 利用しない
2. 返さない
   もし、ヤミ金からお金を借りてしまっても返す必要はありません。
3. 逃げない
   逃げれば逃げるほど追いかけてきて、取立範囲も家族、親族、職場へと広がっていきます。毅然とした態度で対応しましょう。
4. 隠さない
   お金を借りていることを身内に内緒にしておくと「○○にばらしてもいいのか」などと脅されることにもなります。家族には隠さず、家族ぐるみで対応しましょう。
5. あきらめない
   必ず解決できます。あきらめず粘り強く、毅然と対応しましょう。

一人で対応できないときには、糸島市消費生活センターか下記まで早急にご相談ください。

糸島警察署

電話番号：092-323-0110

福岡クレジット・サラ金被害をなくす会（ひこばえの会）

電話番号：092-761-8475
相談時間：平日の13時から17時