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糸島サイエンス・ヴィレッジにおけるローカル5Gの環境整備が完了しました
更新日:2022年5月26日
ローカル5Gの実装完了
九州大学学術研究都市構想における分散型地域核「ほたる」の1つとして、糸島サイエンス・ヴィレッジの実現に向け取組を進める一般社団法人SVI推進協議会(以下、「SVI」)は、法人設立当初から計画していた、自己土地のみで活用できる第5世代移動通信(以下「ローカル5G」)の機器を糸島市の市有地(志摩馬場)に実装しました。
今回のローカル5Gは、SVIが九州大学の知的資源の活用をはじめ、幅広く新技術を実用化・事業化につなげ、研究・産業集積や交流創出を実現するための個別プロジェクトの1つとなります。
一般社団法人SVI推進協議会について
ローカル5G基地局設置の経緯
今年3月にSVIは、日清紡ホールディングス株式会社(以下、「日清紡」)と共同事業協定を締結し、当協定に基づき日清紡がローカル5G機器を設置しました。
日清紡は、5G電波が当該敷地内できちんと届いているか、他の土地にはみ出していないかなどの実証実験を2年間行うこととしています。
日清紡の系列企業である日本無線株式会社が開発したシミュレーションベースド・フレキシブル・アンテナ Simulation-based flexible antenna「SFA」を駆使することで、設計時にシミュレーションした複雑な形状のエリアに対して、実際に設計通りの効率的な電波利用が可能となることが当エリアのローカル5Gの特長となります。
日清紡HDの記者発表資料(外部サイトへアクセスします)
ローカル5Gとは?
そもそも「5G」とは
「5G」は、LTE-Advanced(4G)の次の世代となる第5世代移動通信システムです。
5Gは、「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」という、3つの大きな特長を持ちます。
「ローカル」とは?
ローカル5Gの「ローカル」は「エリア限定」という意味を持ちます。
特定の土地(自己土地等)のみで活用することを目的に設置する5G機能の総称を「ローカル5G」と呼び、逆に各携帯電話会社が展開する5Gを「キャリア5G」と呼びます。
ローカル5G基地局:全国718基地局(福岡県内39基地、うち1基地が糸島市)注:令和4年5月現在
ローカル5G免許申請者
全国108者(福岡県内6者、うち1者がSVI)注:令和4年3月末時点
免許申請者のほとんどが、通信系、ケーブルテレビ系や大規模な工場を持つ企業で、自治体が関係しているのは、5者のみとなります。さらに、大学関係者や企業が実証実験を行うことができるローカル5Gは今回SVIに設置したもののみです。
ローカル5Gの利点
独立したネットワークであること
- キャリア5Gのネットワークは多くの人が利用するため、災害発生時や大規模イベントの際にネットワークが混雑し、輻輳(ふくそう)が発生し、接続しづらくなることがあります。
- 情報漏洩対策として強いセキュリティを求める企業も多く、例えば工場内のネットワークを外部のネットワークとは完全に切り離したいというニーズ等も少なからずあります。
- 外部環境に左右されないローカル5Gの存在は今後重要になってくることが予想されます。
目的に特化した高度な無線通信システムの利用環境を柔軟に構築・利用できること
- ローカル5Gは、使用エリアの特性や産業分野毎の個別ニーズに対して、各々のセキュリティレベルや通信網構成を構築できます。
実証場所に関して
実証エリアとして、九州大学西側に隣接する糸島市の所有土地(旧清掃センター跡地 志摩馬場)を活用することとしています。
今後のローカル5Gと糸島サイエンス・ヴィレッジの流れ
SVIの社員である九州大学と連携しながら、学内の各研究者に情報を提供し、活用希望研究者(民間企業含む)を募ります。
今後はSVIと日本無線株式会社がサポートしながら、当該地で複数の実証実験等が展開される仕組みをつくっていきます。
その仕組みが確立できるまで、先行して九州大学の学生団体「QSIP(キューシップ)」が、環境計測装置の測定精度の確認や評価、菜園でのリアルタイム環境情報の可視化等の実証実験を行う予定です。
今後は、ローカル5Gの実証実験を展開しながら、他のプロジェクトに関しても第2弾、第3弾とSVIを中心に進めていきます。
具体的なプロジェクトを実行することで、研究機関や企業、または研究者、学生、地元住民たちが集い、研究、実証、開発、そして交流機能を有した、「糸島サイエンス・ヴィレッジ」を創造していきたいと考えています。