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#4 好きなことを思い切り楽しみながら糸島で働く 【糸島しごと】

更新日:2024年2月13日

♯4 好きなことを思い切り楽しみながら糸島で働く

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【記事(PDF版)はこちら】(920KB)

吉冨陽光さん Yoshitomi Yohkoh

株式会社 熊本精研工業  平研(へいけん)工程担当

1989年、糸島市生まれ。3児の父。自動車整備士を10年勤め、30歳でレースメカニックへと転向し、レーシングカーの整備に携わる。2022年に糸島市にUターンし、「株式会社 熊本精研工業」へ入社。金属の研削加工業務を行う。

株式会社 熊本精研工業 (企業情報はこちら)


糸島市東の精密部品の加工製造を行う「株式会社 熊本精研工業」で、金属の研削加工に携わる吉冨陽光さん。「後輩たちに『楽しいこと、どんどんやっていこうぜ!』と伝えたい」と語る吉冨さんは、自動車会社のディーラーで自動車整備士を10年勤めた後、30歳の時に「もっと難しくて面白いことに挑戦してみたい」とカーレースの世界へ飛び込んだ。

レーシングカーの整備をするレースメカニックとして全国のサーキット場を回ること3年、家族と過ごす時間を優先するため2022年にレースメカニックの仕事を退き、同社に入社する。糸島で働くことを選択した吉冨さんに、糸島で仕事をする魅力について聞いた。


1マイクロメートル単位で金属を削る繊細な仕事


会社では主にどのような仕事をしているのですか?



自動車の部品や、パソコン、スマートフォンに使用される半導体関連の部品など、さまざまな機械に組み込むための精密部品を作っています。

私は平研工程という部署で、研削・研磨加工を担当していて、部品や金型で使用する金属の板を、1マイクロメートル(千分の1ミリメートル)単位で平らに削っています。とても繊細で職人のような仕事です。

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研削機に金属板を設置して、目視で砥石との
わずかなズレを調整する


仕事のどんなところが面白いですか?



同じ物ばかりではなく、日によって違う物を作れるところです。

特注品を依頼されることが多い会社なので、顧客から依頼された図面に基づき、指定された形状に作り上げなければいけません。毎回、どのアプローチで作るのが適しているか、作業工程を考えアイデアを練ります。

1つの部品は1人で作っている訳ではありません。各工程に専門の技術者がいて、私が担当する研削部門では金属板を平らに削り、それから放電加工、手加工など順番に流れていきます。自分の手を離れた部品に、他の技術者たちの手が加わることで、最終的にどのような仕上がりになったのかを見るのは面白いです。

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両手で研削機のハンドルを操作して
金属の最適な位置を探る

人の手と知恵があってこその物作り


金属を削るシンプルな作業に思えますが、どんなところが難しいのでしょうか?



機械のモニターに映るカウンターの数値を確認しながら、ハンドルを手で操作して、金属板の最適な位置を探り、慎重に削っていきます。

5マイクロメートル削ったつもりなのに1マイクロメートル削り足りない、もしくは逆に削り過ぎてしまうなど、機械の操作や金属の種類によっても加減が違うところが難しいですね。

研削の作業工程を間違えると、後から削れない部分が出てきて、最初からやり直しになるので、正しい手順を導き出して間違わないように考えて作業する必要があります。でも、難しいから上手くできたらうれしいし、「やっぱりこれだ!」と自分のやり方に確信が持てた時に、物作りの楽しさを感じます。

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削るのは機械だが、その加減は人が判断しながら微調整して行う

自動車整備士からレースメカニックの道へ


今の仕事に就いた経緯を教えてください



福岡市で自動車整備士の仕事をして10年。30歳を機に「整備士をやるなら、もっと難しいことをやってみたい」と思い立ち、自分の技術の向上と新しい世界を求めて、レーシングカーの整備をするレースメカニックの仕事にチャレンジしました。

一瞬一秒を争うレースメカニックの仕事はやりがいがあり、とても充実していたのですが、全国のサーキット場に出張しなければならず、数カ月も家に帰れないことが多くて…。仕事を始めて3年が過ぎた頃、「もっと3人の子どもたちと関わって、家族一緒の時間を過ごそう」と、家族が待つ糸島に戻り、高精度な精密部品を手掛ける現在の会社に入社しました。

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カーレースのサーキット場でピットスーツ姿の吉冨さん
(吉冨さん提供写真)


レースメカニックになると決めた時、家族の反応はどうでしたか?



レースメカニックの仕事をやりたいと妻に話すと「やりたいなら、やっちゃいなよ」と一言、背中を押してくれました。ありがたかったですね。それからは思う存分、静岡県の富士スピードウェイや三重県の鈴鹿サーキットなど全国のサーキット場を飛び回り、レース中にピットインする車のタイヤ交換や整備など、素早さと正確さが求められる勝負の世界に身を置きました。


レースメカニックの仕事で今の仕事に通じるところはありますか?


 
カーレースは、サーキットを1周するスピードを千分の1秒で競い合います。ドライバー含めチーム全員が一丸となって、スピードを少しでも早くするために全力を尽くすんです。

今の仕事も1つの部品を作り上げるために、各工程を担当する技術者たちの知恵と技術を結集させ、千分の1ミリメートルを追求して物を仕上げていく。どちらも技術者のチームワークで仕事をするところが同じですね。

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レース中に交換するレーシングカーのタイヤの
整備をする吉冨さん(吉冨さん提供写真)

家族との時間を優先し糸島で働く


仕事のやりがいについて教えてください



カーレースのように決して派手ではないけれど、作って、考えて、いい物をさらに良くする、といったこだわりを持って、自分の好きな物作りができます。その上で「朝仕事に行って、夕方家に帰る暮らし」がしたかった。

今は家族と過ごす時間が増え、趣味も満喫できて、穏やかに日常を楽しめることが、仕事のやりがいにつながっています。

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「子どもの頃から機械いじりが好きで、壊れたおもちゃを直そうと分解することもありました」
と話す吉冨さん


糸島で仕事をする魅力はなんですか?



会社が近いので、以前より時間に余裕ができたことですね。

休日は自宅のガレージで車やバイクの整備をして、マシンの調子を試しに糸島の海岸線を走らせます。

自分の実家に両親と2世帯で暮らしているので、近所の人や昔なじみの人ともつながりがあります。また、地元の消防団に入っているので、地域の人たちが私の子どもを見かけると、「吉冨さんのところの子」と知って、子どもに声を掛けてくれるんですよ。

お互いに挨拶し合う日々の交流があって、地域の人たちに見守られている安心感があり、こんな環境で子育てができるのが魅力ですね。

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自宅のガレージで、子どもがバイク整備をする吉冨さんのまねをしている様子
(吉冨さん提供写真)

糸島で仕事も暮らしも楽しむ生活


これから糸島でやってみたいことはありますか?



何でも興味を持ったらチャレンジしたいですね。先日、福岡マラソンに夫婦で参加して一緒に完走したんですよ。子どもの頃から「何でもチャレンジするね」と周囲からよく褒められていましたが、今も変わらないですね。失敗してもいいから、とにかくやってみたい性格で、回数を重ねれば、少しずつできるようになることが楽しくて。仕事でも難しいことにぶつかると「とりあえずやってみよう」という気持ちになります。


糸島で仕事をしてみたいと思っている人に、伝えたいことはありますか?



会社の後輩たちには、しっかり仕事をして、仕事以外の自分の時間も作って、「楽しいこと、どんどんやっていこうぜ!」って伝えています。

仕事と暮らしのバランスを取りながら、何でも楽しめるライフスタイルを周りの人に広めたいですね。

いつも「次は何をしようかな…」と考えるのが、とにかく楽しいです。ちなみに、昨日ラジコンカーを買ったばかりなので、庭にラジコンカー用のジャンプ台でも作ろうかなと思っています。ラジコン、めちゃくちゃ楽しいですよ(笑)



熊本精研工業の社長は吉冨さんを「前向きな人」と語る。好きなことに真っ直ぐで、とことん楽しみ、少年のように屈託のない笑顔を見せる。そんな吉冨さんの新たな挑戦はこれからも続きそうだ。

(2023年12月取材、文=澤野香織 写真=渡邊精二)


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