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#11 日本一の産直市場から糸島の多彩な恵みを世界に発信【糸島しごと】

更新日:2025年2月25日

#11 日本一の産直市場から糸島の多彩な恵みを世界に発信

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【記事(PDF版)はこちら】(PDF:1MB)

徳安出雲さん Tokuyasu Izumo

JA糸島 営農部直販課 外販広報担当、農家、神職

1986年大阪府生まれ。糸島市井原にある住吉神社の二十代目として育つ。神職資格取得後、2012年JA糸島に就職。金融部門、農業資材販売部門、農業の担い手支援(TAC)などを経て現職。農家としてニンジン生産にも従事。


2023年度JA直売所年間販売高全国1位(日本農業新聞調べ)など、全国的な知名度を誇る「伊都菜彩」。福岡市中心部から車で約40分というアクセス良好な立地と産品の鮮度が自慢で、約1500人もの生産者が産品を直接持ち込む。農畜産物や海産物、加工品、生花などがそろい、糸島の多彩な恵みを象徴する施設でもある。

ここを拠点に糸島産品のPRを担当しているのが、JA糸島の職員である徳安出雲さんだ。ニンジン農家、さらには糸島市井原にある住吉神社の二十代目という顔も持つ。「糸島の農畜水産物も伊都菜彩も伸びしろだらけ」と話す徳安さんに、自身のワークスタイルと糸島への思いを聞いた。


広報担当として「伊都菜彩」や糸島の産品をPR


JAでは、どのような仕事をしているのですか?



2024年4月より伊都菜彩の外販広報を担当しています。主な業務はSNSでの情報発信やメディア対応、飲食店やホテルといった新たな取引先の開拓、店内で販売する新商品開発などです。

SNSの活用は数年来の課題だったので、2024年7月から、毎週末に入荷状況のインスタライブを始めました。今まで入荷に関する問い合わせ電話が非常に多かったのですが、旬の食材をリアルタイムで見られるので電話も減りました。閑散とした雪の日に配信すると、来店者が一気に増えたということも。近いうちに公式ラインも開設する予定です。せっかく朝ドラ「おむすび」で注目されたので、若い世代のお客さまをもっと増やしたいですね。

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伊都菜彩の店頭で旬の商品をライブ配信中


糸島市が連続テレビ小説「おむすび」の舞台の一つとなったことで注目されていますね。出演者に農業指導もされたとか。



最初にオファーを受けたのは、前の部署で農業の担い手支援をしていた時でした。出演者に農作業の手ほどきをしたり、糸島の野菜を収録スタジオに送ったり、ロケの協力先を探したりしました。糸島野菜の大きなPRとなり、ありがたいですね。

朝ドラをきっかけに、糸島の海側だけでなく、山側の魅力にも注目してほしいという思いがあります。伊都菜彩は糸島の海と山をつなぐ中間点にあります。ここからいろんな情報を発信して、相乗効果で盛り上げていきたいと考えています。

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朝ドラをきっかけに商品化された
ライスバーガー「伊都むすび」

正解がないのが農業のおもしろさ


ニンジン作りを始めたのはなぜですか?



JAでは農業なら兼業OKとされていて、仕事と並行してずっと農業に取り組んできました。農業のことを知らなくては、生産者さんとコミュニケーションが取れませんから。自分でやるからこそ、その苦労も楽しさも身をもって分かります。

ニンジン作りを始めたのは、2020年頃です。それまで、タマネギやジャガイモなどにも挑戦してきました。ニンジンは発芽させるまで気を抜けませんが、その後は比較的手が掛からないんですよ。メイン作物の栽培の合間に作れる野菜として農家さんに提案できれば、所得向上につながると考えました。

今は7人にニンジン栽培を教えていて、必要に応じて機材の貸し出しもしています。私も始める時に先輩農家さんにお世話になりましたから、持ちつ持たれつでお互いに良いものを作っていけたらと思います。

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「ニンジンにもいろんな品種があるんですよ」と徳安さん。徳安さんが出品しているのは、甘味が特徴の「アロマレッド」


農業のおもしろさはどんなところにありますか?



正解がないことです。去年と同じように作っても、自然相手ですから出来が全然違います。子どもが喜んで食べたといった話を聞くのもうれしいですね。

もともとは週末に農業をしていたのですが、それでは追い付かず、JAでの業務が終わった後に行うようになりました。冬季はすでに暗くなっているのですが、ライトをつけてやっていますよ。収穫したものは、地産地消に力を入れている学校給食に納めたり、伊都菜彩に持ち込んで販売したりしています。

実際に農業をやることは伊都菜彩の仕事にも生かされています。私自身、生産者として出荷していて、伊都菜彩がマンネリ化しているように感じていました。せっかく今の業務に就いたので、変えられるものは一つずつ変えていきたいですね。


例えばどんなことでしょう。



商品の並べ方や、飲食スペースのメニューなどです。あとは、同種の作物を複数の生産者さんが出品しているので、価格競争になりがちということでしょうか。実際、私がニンジンの出品を始めたら、他の生産者さんが価格を下げてしまう事態になりました。「良いものを作っているのだから自信を持ってほしい」と、生産者さんには折に触れて伝えています。

農産物だけではありません。同じ魚でも、漁の方法や漁師さんの締め方で味が変わるんですよ。店頭で見ただけでは分からない商品の良さや生産者さんのことを発信して、価格以外の物差しも提示できたら、購入される方にもプラスになるのではないでしょうか。

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買い物客においしいサワラの
見分け方を教える徳安さん

神社の家に生まれ育まれた奉仕の心


現在の働き方に至るまでの経緯を教えてください。



生まれたのは大阪府で、2歳の時に親の実家がある糸島市に引っ越してきました。それからはずっと糸島育ちです。神職資格を取るために東京の大学に進学し、4年間を過ごしました。故郷を離れてみて、自然と都会がすぐ近くにある糸島の良さを再認識しましたね。

帰郷後は、消防士を志望して採用試験を複数回受けたのですが、合格には至らず。消防士を目指す間、親戚の米麦農家でアルバイトもしていたんです。そこで農業との縁ができ、JAに就職することにしました。


今は、どんな割合で3つの仕事をしているのでしょう。



JA6割、農業3割、神職1割でしょうか。忙しいのは確かですが、農閑期があり、その時に家族との時間を多く取るようにしています。例えば、妻とおいしいお店巡りをするとか。糸島にはたくさんの飲食店があるので穴場スポットを探すのが楽しいです。夏の時期は、生産者さんと一緒にイカ釣りに行くこともありますよ。

私は神社の家で育ち、奉仕の心を持つことを自然と教わったように思います。JAでの仕事も、生産者の皆さんあってこそ。3つの仕事いずれも、地域貢献の思いで取り組んでいます。神社の仕事も奉職ということで兼業の許可をもらっているので、できるところまで「三足のわらじ」を履き続けたいですね。

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今の働き方に至る道のりを振り返り、「神社も地域の人あってこそ」と話す

「糸島産」とは作る人のこだわり


糸島で仕事をすることの魅力は何ですか?



農業に関して言えば、官民の連携がうまくいっていると感じています。一例を挙げると、新規で農業を始めたい人がいれば、市役所と普及指導センターとJAがチームを組んでバックアップする体制が整っています。作った物を売る場所も伊都菜彩があります。他ではあまり見ない外国原産の野菜を作っている人もいますよ。

JAはいろんな情報が集まってくるところで、私も得た情報は積極的に生産者さんにシェアするようにしています。農業を始めたい人にとっては、もってこいの環境ではないでしょうか。


今後取り組みたいことについて教えてください。



神社の仕事は、まだまだ父も元気ですので、今は修行中の身です。ニンジン栽培に関しては、私が作っているのは「アロマレッド」という品種で、甘くておいしいんです。同じ品種を栽培している人たちと協力して、いずれブランド化していきたいですね。

伊都菜彩の外販広報担当としては、世界を視野に入れた「糸島産」の発信です。2024年に、香港のすき焼き店で糸島フェアが開催され、約1カ月間食材を発送しました。この経験とアジアに近いという地理的利点を活用すれば、その目標も実現できると信じています。

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平日でも大勢のお客さんでにぎわう伊都菜彩


「糸島産」はすでにブランドが確立されているように思いますが、伸びしろがあるのですね。



「糸島産」は国内ではある程度知られるようになりましたし、伊都菜彩も多くの方にお越しいただいています。ですが、まだ伸びしろだらけです。

「糸島産」とは何かというと、作る人のこだわりだと私は考えています。がんばっている生産者さんがもっと評価されるよう、お手伝いをしていきたいですね。

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納品に訪れたイチゴ農家さんと。「人気の生産者さんなんですよ」と紹介してくれた



JA職員、農業、神職。3つの仕事に全力投球している徳安さん。それぞれのバランスは今後変わっていくかもしれないが、地元糸島のためにというぶれない軸を持って働いている。それが何よりの強みだと感じた。

(2025年1月取材、文=横田敦子 写真=渡邊精二) 



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