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【SDGs認知・共感促進事業】前原西中学校の取組を取材しました!

更新日:2024年12月2日

糸島市は令和5年度に「SDGs未来都市」に選定され、「糸島市SDGs未来都市計画」に基づく取組を推進しています。SDGsの達成には、市民・団体・企業など、皆さん一人ひとりの行動が必要不可欠です。

そこで、令和6年度から令和7年度にかけ、「SDGs認知・共感促進事業」を実施することとしています。
市内で活動する市民・団体・企業等のSDGsに関する取組を取材し、情報発信することで、SDGsに関する取組の“認知”と“共感”を促し、SDGsに対する市全体の意識を高め、一人ひとりの行動変容につなげていくことが目的です。

令和6年度は、市内の各小中学校における取組を取材しています。
「SDGsとよく聞くけれど、具体的になにをすればいいの?」と疑問を抱かれている方も、今回発信していく取組を参考に、身近な課題の解決に向けた行動につなげていただければと思います!

  • 「SDGs未来都市」選定時のページは、こちら

【前原西中学校】小さな行動でも人を救える 生徒会主体のフードドライブ

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前原西中学校は、生徒会を中心とした活動が盛んです。生徒会が年間目標を表すスローガンを打ち立て、学校全体で一つの目標に向かって取り組んでいます。
今年度、生徒会はSDGsの「貧困をなくそう」という目標に取り組むため、フードドライブ活動を実施しました。8月25日には、フードバンク糸島Happinessが主催し、糸島市健康福祉センターあごらで実施されたフードドライブ活動に参加しました。
その時の生徒たちの様子や、前原西中学校におけるフードドライブ活動のねらい、学びを深めるための先生の働きかけ、生徒たちの思いなどを紹介します。

生徒がフードドライブ活動のボランティアに参加

8月25日の朝9時30分。あごらのエントランスロビーに集まったのは、フードバンク糸島Happinessの代表まるおようこさんとスタッフ、そして前原西中学校の学習ボランティア部の生徒4人。フードバンク糸島Happinessが実施するフードドライブでは、一般市民や糸島市内の企業からの食品の寄付を受け付けています。この日、前原西中の生徒たちは、午前中に学習ボランティア部が、午後からは生徒会執行部が交代でボランティアとして参加しました。

生徒たちの主な作業は、寄付された食品を食品管理台帳に記帳し、倉庫へ運搬して賞味期限別に管理するための仕分けの手伝いです。生徒たちはロビーと倉庫の二手に分かれて作業に取り掛かりました。

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10時を過ぎると、食品が詰められた手提げ袋や箱を持った人々が訪れ始めました。中には台車に段ボールを積み重ね、食品や生理用品を提供してくれた人もいました。

生徒たちは、提供された食品の裏面を確認し、品名、メーカー名、納入数、賞味期限、重量などを、一つ一つ食品管理台帳に記帳していきます。同時に、容器から食品が漏れていないかなどの確認もします。

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記帳は食品のメーカー名や種類、提供量、賞味期限の把握に欠かせない重要な作業です。普段あまり食品の裏面を見慣れていない生徒たちは、「どこまでが商品名?」「水の重さってどこに書いてある?」など戸惑いながら情報を探していましたが、分からないことはスタッフに質問し、記帳を進めるうちに、徐々に手際が良くなっていきました。

生徒会が全校から提供された食品を持参

正午になると、生徒会のメンバー11人が段ボール3箱を抱えて集まってきました。段ボールには、全校生徒から寄付された食品が詰められていました。
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    前原西中学校でのフードドライブで生徒会が持参したたくさんの食品

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    チームワークでテキパキと作業をする生徒会メンバー

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    食品とお菓子を分類して賞味期限別にビニール袋にまとめる

記帳が済んだ食品は、賞味期限別にコンテナに分別し、一定量になったら倉庫に運びます。倉庫の生徒たちは記帳のほか、食品を賞味期限ごとに1ヶ月単位で分類したり、お菓子とそれ以外の食品に分けたりする作業もしていました。

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これらの食品とお菓子はフードバンクのボランティアスタッフが、調味料、食材、即席食品、お菓子などを1セットにして袋詰します。米も2キロで1袋にします。左の写真が、ビニール1袋分の食料品です。
完成した食料品セットは倉庫に保管され、糸島市社会福祉協議会や糸島市役所を通じて、食料を必要とする人々に渡されます。

ボランティア活動に参加した生徒たちは、フードバンク糸島Happinessが行う活動を実際に体験しました。貧困問題やフードロス問題のために、自分たちにもできることがあると実感する機会になったようです。

学習ボランティア部の生徒の声

  • 記帳作業は楽しかったけれど、食品の裏面にはいろんな表示がたくさんあって、商品名や会社名を見つけるのが難しかった。今日の活動は、食べ物に困っている人に食料品を届けることにつながっていて、人を助けることにもなるんだと思いました。
  • 食品の量の多さに、それだけ多くの人が寄付をしてくれているんだ、と知りました。これからもフードドライブに食品を提供したいし、ボランティアにも参加してみたいです。

先生インタビュー

生徒会指導部の富永先生と高木先生に話を聞きました。
2人の話をまとめて、「先生」の発言としてインタビュー記事にしています。
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フードドライブ活動を生徒会の活動に取り入れた理由は何ですか?

  • 生徒会メンバーからの提案でした。前原西中では、2022年から人権をテーマにした活動をしていて、昨年も困っている人への支援としてフードドライブ活動に取り組みました。今の生徒会メンバーは、昨年は中学2年生として活動に参加しており、その経験を踏まえて今年も取り組むことになりました。

フードドライブ活動に参加するねらいは?

  • 主に二つあります。一つは、生徒たちがSDGsの貧困問題について、世界規模と身近な糸島市の現状を知り、困っている人のために自分ができることを考え、日々の生活に生かすことです。もう一つは、ボランティア活動に積極的に参加し、お互いに助け合う意義を学ぶ機会にすることです。

背景には、どのような問題意識があったのでしょうか。

  • 前原西中の生徒たちは、活気のある挨拶や行事への積極的な参加など、素晴らしい面があります。これに加えて、自分のことだけではなく、相手や周りの人のことも考えるような、思いやりを持った行動ができるようになることが第一の目標です。

ボランティア活動以外にどんな活動をしましたか?

  • 6月に生徒会から提案があり、学校内での食料品収集と今回のボランティア活動が決まりました。全校生徒に取り組みを理解してもらうために、生徒会が動画を作成し、各クラスで給食時間中に視聴しました。また、ポスターなどで食料品の保管を呼びかけ、7月1日から約2週間で段ボール3箱分の食料品が集まりました。今後は、10月の文化発表会で一連の活動について発表することになっています。

先生方は生徒会にどのような指導や働きかけをしていますか?

  • 私たちは常に「この活動を通して全校生徒に何を伝えたいか」を考えるように促しています。生徒会は活動をすることが目的ではありません。フードドライブで食料品を集めることが目的なのではなく、この活動を通して糸島市にも困っている人がいることを知り、自分たちが日々の生活でできることを考えることに意義がある、と伝えています。

今後、生徒に期待することは何ですか?

  • フードドライブの活動を経験し、今の前原西中の生徒はフードドライブという言葉はほぼ全員が知っていると思います。この経験を生かし、掲げた目標どおりに、自分の周りに困っている人がいることに気づき、思いやりを持って接することができることがゴールですね。

生徒会インタビュー

生徒会役員の皆さんの話をまとめ、「生徒会」の発言としてインタビュー記事にしています。
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昨年に引き続き、今年もフードドライブ活動に取り組むことにしたのはなぜですか?

  • フードドライブ活動で食品を集めることで、生徒一人一人が、自分たちの住む糸島で困っている人の役に立つことや、地域で助け合えることを考え、行動する力を育ててほしい、という思いがありました。また、昨年の先輩たちの活動を受け継ぐ意味もあります。私たち自身、昨年は生徒会役員ではなく、SDGsの意識もあまりなかったので、今回は誰もが意識する活動をしたい思いもありました。

今年はどんな活動にしたかったのでしょうか?

  • 全校生徒にフードドライブの内容を分かりやすく伝え、誰からも意識してもらえる活動です。学校でのフードドライブの日付を書いたポスターを作ったり、各クラスリーダーとの話し合いのときに活動内容を説明して、クラスで話してもらったり。フードドライブの期間中は、毎朝の全校放送のときに「今日はこのくらい集まりました、次もお願いします」と報告もしました。

全校生徒向けの動画も作成したと先生から聞きました。動画作りで意識したことは何ですか?

  • 昨年の先輩たちが作った動画を参考にしつつ、「堅苦しい話はみんな聞きたくないよね」「興味を持ってもらいたい」と生徒会で話し合って、クイズを考えたり、スライドの文字を減らして大切な一言を大きく出して分かりやすくしたりしました。SDGsの貧困問題には、世界規模の話に加えて、福岡県の現状も入れました。身近なことだから自分たちも意識しやすくなりました。

フードドライブ活動をしてみてどうでしたか?

  • 昨年のフードドライブ活動で、食料品が出尽くしちゃったのではないかと心配でしたが、たくさんの人が提供してくれて、すごくうれしかったです。自分も食品を出してみて、人の役に立つっていいなと感じました。今日のフードドライブのボランティア活動は賞味期限を確認したり、お菓子とそれ以外の食品を分けたりと、裏方の作業が大変でした。裏方の人の存在を知ってほしいです。全体を通して、あたたかい気持ちになれる活動でした。去年の先輩たちもきっと同じ気持ちだったんだと思います。
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10月の文化発表会ではどんなことを伝えたいですか?

  • 文化発表会では、みんなの協力で糸島の人が助かるということを伝えたいです。この活動が終わった後も、SDGsの「01貧困をなくそう」の目標だけでなく、SDGsを意識し続けてほしいです。そして何より、小さな行動一つでも人を救える。その一つ一つを全員でやれば大きな力になることを伝えたい。そういう動画やスライドを作ります。

    地域の協力者インタビュー

    フードバンク糸島Happinessのまるおようこさんに話を聞きました。
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    フードバンク糸島Happinessはどんな団体ですか?

    • 私たちは、糸島でも食べることに困っている人がいることを知り、2017年に立ち上げたボランティア団体です。フードドライブなどを実施し、食品の寄付を集め、管理し、提供するまでの準備をしています。提供先は主に、糸島市社会福祉協議会や糸島市役所へ相談にいらっしゃる方です。子ども・地域食堂や糸島市内の子どもを預かる施設にも提供しています。

    今回のフードドライブ活動に前原西中学校の生徒が参加するようになった経緯は?

    • 前原西中学校とは2018年からの縁ですね。ボランティアやフードバンクについて、総合学習のまとめとして講演させてもらったことがきっかけです。その年、PTA行事で初めてフードドライブを開催しました。その後も縁があり、生徒たちがフードドライブ活動を手伝ってくれるようになりました。

    生徒たちに期待することは何ですか?

    • 私の話を聞いて「自分も何かできるんだ」という気持ちが芽生えたら花マルです。実際の行動は、今ではないかもしれないけど、そのように思う気持ちは大切だと思っています。そして、周囲を見ることができて、勇気ある一歩を踏み出し、少しでもいいから何か行動に移せる人になってくれたらうれしいです。

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