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「原プレストフラワー 渡部満里子 押し花絵個展」インタビュー
更新日:2019年10月3日
花それぞれの魅力を引き出す、繊細で華やかな押し花展
今回は10月1日(火曜日)から10月6日(日曜日)まで開催されている「原プレストフラワー 渡部満里子 押し花絵個展」をインタビューさせていただきました。
サークル「原プレストフラワー」の師範として生徒たちに押し花を教えながら、アクロス福岡での展覧会やコンテストでの受賞など各方面で活躍されている渡部満里子さんによる作品展です。20年ものあいだ押し花を続けられていますが、今回ついに初の個展を開催。80点以上の作品が所せましと飾られています。
屏風に収められた和風の作品や、黒を基調としたシックな画、ランプやカレンダーなど、趣向を凝らした創作の数々で目を楽しませてくれます。
押し花作りは、色合いを残しながら花を乾燥させていくところから始まります。 薬品が含まれている特殊なシートに挟み、水分を含んだらまた取りかえる作業を繰り返します。完全に乾燥するまでは、花の種類にもよりますが1週間から10日ほどの時間がかかるとのこと。背景に用いる布もイメージと合うように染め、実際に作品に取りかかる前から入念な下準備が始まります。
海底を描いたような美しさが魅力的なこちらの作品は、「青の世界」というタイトルのとおり、布を青く染めて独特の背景を創り出しています。
他にも、重ねた葉を花瓶に見立て、花瓶に活けられた花のように表現する作品も多数ありました。渡部さんの得意とする技術で、セピア調の柔らかな色合いが引き立てられます。
渡部さんは、こうした様々な作品を作る際には、まず全体のイメージを浮かべてから作り始めるそうですが、途中で色合いに納得がいかず作り直したり、映える画のために何度も花を入れ直したりと、より良い作品ができあがるように試行錯誤の繰り返しだとおっしゃいます。
こちらのランプは、虫に食われてしまった花を使って作られたものです。
景観を損ねてしまう「虫食い」部分を逆手に取り、独特の紋様が浮かびあがっている表現に昇華しています。
作品に用いられている花は、その多くが自然と生えている一般的なもの。咲いていたときとはまた違った雰囲気になっていますが、観察すると、外を歩いているときに見かける草花が散りばめられています。
見た瞬間に皆が驚くような貴重で美しい花だけでなく、散歩の際に道端で見かけた花、お店でよく売られている花など、私たちの身の回りに見られる花々も、ひとたび渡部さんの手にかかると、普段とはまったく異なる趣をかもしだす美術作品に姿を変えていきます。
美しく、細やかな色合いを楽しめる「原プレストフラワー 渡部満里子 押し花絵個展」は10月6日(日曜日)まで。ぜひ、当美術館にお越しください。
次回のインタビューは10月10日頃に更新予定です。
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