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「第37回 糸島美術協会『会員展』」インタビュー

更新日:2019年9月27日

芸術への愛が生む、情緒豊かな作品展

今回は9月25日(水曜日)から9月29日(日曜日)まで開催されている「第37回 糸島美術協会『会員展』」をインタビューさせていただきました。
 
昨年、70周年を迎えた糸島美術協会会員による展覧会で、ジャンルは油彩・水彩にはじまり、彫刻、切り絵や押し花など計34点で、中には1メートルを超える80号サイズの絵画もあり、大変見応えのある展示です。

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前回の出品作品と同じタイトルでのシリーズ作品や、同じ題材で再度挑戦した絵などもあり、昨年からの変化を楽しめる展示もあります。

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写真左の作品は、レトロ街の錆びた扉を描いたものです。
扉は、向こう側へと進むイメージからも時の流れを感じさせる題材であり、窓と同様に、人によってイメージがガラリと違う作品が生まれるため、モチーフとしてよく用いられるそうです。

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中央は、庭で見つけた彼岸花やれんこんに色水を吸わせて押し花にして作られた作品です。黒の背景に華やかな色彩が映え、浮き出ているような臨場感が伝わってきます。
緑の田園風景の中に咲く真っ赤な色からも毒々しいイメージのある彼岸花ですが、この作品の作者さんは以前に「彼岸花は、お彼岸のとき、死者の道しるべになるために咲いているんだよ」と教えてもらったそうです。その言葉が胸に沁み、彼岸花をモチーフにした作品を作られているとのこと。糸島には赤、白、黄色と色とりどりの彼岸花が美しく映える場所もあります。この言葉と作品を思い浮かべると、また違った風景に見えるかもしれません。
   
花をテーマにした作品は他にも数点みられています。15年前に「利休梅」を題材にして描いた作品を、再度挑戦して描いたものもあり、グリーンで統一された柔らかで爽やかな色合いで、花の白く控えめな美しさが表れていました。

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静物だけでなく、抽象画も何点か展示されています。
左端は、「Roll」という題のシリーズ作品で、思うがままに筆を走らせた抽象画です。人間の不安定な感情、内にこもった思いを叩きつけるように描かれています。複雑に絡み合った心情を表すため、三色による多層構造となっています。
 
その右の、アクリル画によるコラージュのような作品は、「黒い大きなアンブレラ」という題の詩からイメージして描かれたアクリル画です。絵は、見る方の視線の誘導も重要な要素だとのことですが、まず、見た瞬間にパッと目に入る黒い部分は、まさにテーマの「傘」の部分であり、一番伝えたい部分が強く目を惹く作りとなっています。 

一見どういうものだろう、と疑問に思う作品も、その作品で表現したいテーマを聞くことでまた違った姿に感じられてきますが、美術にたずさわる方にとっては、見ただけで作者の置かれている環境や心の動きまで読めることがあるといいます。描く側の気持ちによって絵柄に変化が生じたり、同じ題材で描いても大きく方向性の違うものが生まれたり、作者の歩んできた環境や作品を作る際の心情が、まるで鏡のように映し出されるとのこと。芸術は、それだけ人生経験や込めた思いが色濃く影響するものだといえそうです。

糸島美術協会は、現役世代から退職して絵を趣味にしている方まで多くの人が所属し、誰もが美術をこよなく愛し、糸島の数々の芸術家の遺志を継いで作品を作り続けています。それぞれの感性が豊かに表れる「第37回 糸島美術協会『会員展』」は9月29日(日曜日)まで。ぜひ、当美術館にお越しください。  
   
次回のインタビューは10月上旬頃に更新予定です。
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お問い合わせ

教育部 文化課
窓口の場所:新館6階
代表番号:092-323-1111
直通番号:092-332-2093
ファクス番号:092-321-0920

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