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「鉛筆画教室作品展 アートスタジオアライブ糸島支部」インタビュー
更新日:2019年4月19日
こだわりと手軽さを両立させた鉛筆画作品展
今日は4月16日(火曜日)から4月21日(日曜日)まで行われている「鉛筆画教室作品展 アートスタジオアライブ糸島支部」をインタビューさせていただきました。
アートスタジオアライブ糸島支部の講師、香川龍也先生の作品と、その生徒さんたちの作品が50点以上ずらりと飾られています。昨年に引き続き、伊都郷土美術館での2回目の開催となります。
美しく繊細に描かれた絵画の数々で、額縁の色合いも相まって落ち着いた雰囲気の展覧会です。描かれている題材は、家族の顔であったり風景であったり様々で、動物の毛並や石の模様まで細かく描写されています。
現在の会員は20名程、以前より指導の日数も増え、多くの人が参加できるようになってきたとのこと。 メンバーは小学生からシニア世代まで幅広い年代で構成され、個展を開いたこともある方や、芸術文化に触れつつも鉛筆画は初めての方など経験も様々で、中には、小学生のときにコンクールで受賞した作品も飾られています。
教室では、写真などを元に忠実に再現することを第一に指導が行われています。
写真とキャンバス両方に、画面を分割するための線を引き、一部分、一部分を対応させながら描いていきます。この過程は、写真とキャンバスの大きさの違いによるズレを防ぐためで、最終的には線を消して仕上げます。
鉛筆画は、写真での鮮やかな色をそのまま再現することはできません。その代わりに、濃淡を利用して色や光のあたり具合、材質の感触を表します。瞳にあたる光まで細かく描きこまれていて、思わず近くでじっくりと観察したくなります。色がないモノクロの世界で、人の動きや質感を感じられるのは、細かく描きこまれたこだわりあればこそ。
講師の香川先生による作品も多数飾られており、様々な画題に挑み徹底して描きこむ姿勢に驚かされます。
鉛筆画のポイントの一つは、始めるのに特別な準備がいらないことです。
鉛筆、消しゴム、紙さえあればいつでもどこでも始めることができ、描いた部分の修正をすることができるのも面白いところです。
背景が真っ黒に塗られ、黒い部分に浮き上がる白が映える工夫がされた作品があります。なんと背景の黒色は全て鉛筆で塗りつぶされているとのこと。雑にザカザカと塗り潰してしまうと、鉛筆の描いたあとが残って均一な面にならないため、時間をかけて平面に塗られています。
絵を描くとなると、「センスや絵心がない」といった理由からハードルを高く感じてしまいます。しかし、この教室で鉛筆画を描く上で一番重要なことは、とにかく「こだわる」こと。たとえば人の髪のように黒が多い部分も、ざかざかと黒色を乗せるだけでなく、髪一本一本を描くように毛先まで丁寧に線を引いていきます。もちろんその作業には大変な時間もかかり、こだわればこだわるほど根気が必要になりますが、その代わり、誰でも必ず描けるようになる魅力があります。
生徒たちはあくまで趣味として習っている方が多いとのことですが、記念日の贈り物など、技術を活かす場面は数多くあります。心を込めて丹念に仕上げられた絵画は、世界に一つしかない貴重なもの。贈る方も贈られる方も、思い出に残る品になります。
お話を聞いている中で、先生は「こだわり」という言葉を強調されていました。画力といった曖昧な基準ではなく、真剣に、ですが飽きない程度に休憩を入れながら、納得いくように描きあげることの大事さを重視しています。
繊細な筆使いから生まれる独特な作品を楽しめる「鉛筆画教室作品展 アートスタジオアライブ糸島支部」は4月21日(日曜日)まで。ぜひ、伊都郷土美術館にお越しください。
次回のインタビューは4月26日(金曜日)頃に更新予定です。
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