コンテンツにジャンプ
糸島市 オフィシャルウェブサイト

トップページ > 観光情報 > 歴史・文化・美術 > 伊都郷土美術館 > 展示会 > 平成30年度展示会インタビュー > 「井上デッサン会 第10回 裸婦デッサン作品展」インタビュー

「井上デッサン会 第10回 裸婦デッサン作品展」インタビュー

更新日:2018年10月19日

デッサンは全てに通ず

今回は10月16日(火曜日)~21日(日曜日)まで開催されている井上デッサン会の作品展をインタビューさせていただきました。
月に一度開催されている井上公男氏によるデッサン会による作品展で、鉛筆、木炭、コンテ絵を中心に約50点の作品が展示されています。すべてがデッサンを元にした作品ですが、会の終了後に清書したものもあります。
 
inoue1.jpg
    
inoue4.jpg
 
教室では、5分、10分、20分の三つの区切りを採用し、その短時間に一気にデッサンをしていきます。モデルはそのあいだ同じ姿勢を保たなければならないため、5分の短いデッサン時間には動きのあるポーズを取り、長いときには椅子に座ったりなど楽な体勢を取っています。そして作品にも、多様なポーズの女性が描かれていました。

当初は9名で発足して今では20名を超えた会員は、その6割を女性が占めます。同じ人物を描いても捉え方や描き方に大きく違いがあり、細かい線でしっかりと描かれた作品や、豪快で動きだしそうな作品など、個性が強く出ていました。

inoue2.jpg

こちらが講師の井上氏によるデッサンで、教室で描いたものをそのまま作品として出展しています。
 
デッサン会には美術の先生を始め、工芸品の店を開いている方、二科展などの様々な美術展で賞を取っている方など、数々の輝かしい活動歴を持つメンバーが集っていました。
それだけ活躍されている方々ですが、ヌードデッサンは今迄あまり経験がなかった方も多いとのこと。作品作りを通じて基本に立ち返り、やはりデッサンを勉強し直さなければいけないと考え、このデッサン会で切磋琢磨しているそうです。
 
inoue5.jpg

講師の井上氏は「鮒釣りに始まって鮒釣りに終わる」と言われることわざを引用し、釣りをする際には鮒を釣ることから始めるのと同様、デッサンはすべての基礎であり基本であることを強調されました。
 
モデルを招いての教室の最中には私語をせず、黙々と取り組んでいるとのこと。とても真剣で真面目な教室ですが、メンバーの方はとても賑やかで楽しい雰囲気でした。デッサン旅行など、教室以外での会員同士の交流も行われているそうです。

奥の小展示室には、一つだけヌードデッサンでない作品もありました。 モデルが体調を崩した際に、せっかく集まったのだから会員の誰かをモデルに描こう、との提案から作られたそうで、会員方のユーモアを感じます。

 inoue3.jpg

では、なぜデッサンといっても物ではなく人の体を描くのか?という点も、教えていただきました。
ヌードデッサンの大きな魅力は、まず「骨組み」を考えなければならないこと。服や障害物で見えない部分は一切なく、骨や筋肉などあらゆるバランスを意識しなければいけません。重心がどこにかかるか、力の入れ具合はどうか、細かいところまで注視して養われたデッサン力は、人だけでなく風景や物を描く際にも活きていきます。

そしてもう一つの大きな理由は「人間、特に女性の形は自然の美しさをすべて持っている」ということ。『考える人』の作者であるオーギュスト・ロダンが残した「自然にあるものはすべて美しい 人間の体がいちばん それを持っている」という言葉を引用し、人間の体が美しいものであるから描くという大きな魅力を聞かせてもらいました。


会員方が作品やデッサンについて語る姿からは、とても真剣に芸術に向き合っている心を感じられます。
すべての基礎であるデッサンを愛し、その努力の結晶を見ることができる「井上デッサン会 第10回 裸婦デッサン作品展」は10月21日(日曜日)まで。ぜひ美術館にお越しください!


次回のインタビューは10月26日(金曜日)頃に更新予定です。

お問い合わせ

教育部 文化課
窓口の場所:新館6階
代表番号:092-323-1111
直通番号:092-332-2093
ファクス番号:092-321-0920

ご意見・ご感想等ありましたら、下のアンケートフォームからよろしくお願いします!

このページに関するアンケート

情報は役に立ちましたか?
このページは探しやすかったですか?
このページに対する意見等をお聞かせください。

寄せられた意見などはホームページの構成資料として活用します。なお、寄せられた意見等への個別の回答は、おこないません。
住所・電話番号など個人情報を含む内容は記入しないでください。