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「一日本兵が撮った日中戦争」インタビュー

更新日:2018年7月27日

物言わぬモノクロ写真の声を聞く【一日本兵が撮った日中戦争】

今回は7月24日(火曜日)~7月29日(日曜日)まで行われている「一日本兵が撮った日中戦争」でインタビューさせていただきました。
「日本中国友好協会」の糸島支部による展示会で、入場料は300円、高校生以下は無料です。
 
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撮影は実際に戦争に向かった兵士、村瀬森保氏。2年半の間、非公式の写真班として5000枚もの写真を撮影しました。それが家族のもとへ送られ、戦争の光景を証明する貴重な資料として今でも残っています。

今回のパネル展では、兵士の日常から壮絶な戦場の光景まで、50枚の厳選された写真が飾られています。
 
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写真には一枚一枚撮影シーンの詳しい解説が書かれていて、順路どおりに進むと一冊の戦記を読んでいる気分になれるよう配列されています。
解説の文章を真剣に読みこんでいる入館者も多く、博物館の展示を見るような感覚でした。

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写っているのは、偵察する兵士、物乞いをする市民など戦場に生きた様々な人間の姿です。中には、川辺に折り重なる遺体など目を覆いたくなる悲惨な光景もありました。それらのコメントの文章が淡々とした語り口で述べられているのが、写真のリアリティさをさらに浮き彫りにしています。

そんな戦場を写しだした写真の中にも、数枚ほほえましさを感じるパネルがありました。
 
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お正月を迎え、髪を剃る少年兵たち。洗濯物を干しながらの行軍。日本から慰河に訪れた歌手を歓迎する兵士たち。
先ほどの残虐な光景からうってかわって、和やかな表情の兵士の姿がありました。

これらの写真を撮った村瀬氏は「戦争の狂気が人を野獣に変えてしまう」という言葉を残しています。
現代となにも変わらない楽しげな表情を見せる青年たちを見ていると、残虐な人間が戦争で人を殺めたのではなく、平凡な日常を送っていた普通の人たちが、戦争という大きな渦に巻き込まれ、武器を振るうようになったのだと痛感しました。

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写真だけでなく、戦地に向かう人に渡された寄せ書きもありました。こちらは糸島市内の民家で保存されていたものだということです。身近な場所にも、戦争に関わる遺物が残されていることに驚きます。


今回の展示会を行った日中友好協会では、日本と中国の文化交流に重きを置き、食事を振舞ったり、映画を上映したりしながら親睦を深め、お互いを尊重して理解しあえることを目指して活動に取り組んでいます。その目的は、世界に再び悲惨な戦火が巻き起こらないようすること。戦争の厳しい現実を訴えるこの展示会も、平和な社会を願う活動の一環です。

もうすぐ終戦の8月が訪れます。この機会に、戦争と平和という普遍のテーマについて考えてみませんか。
「一日本兵が撮った日中戦争」の開催は7月29日(日曜日)まで。ぜひ伊都郷土美術館にお越しください!

お問い合わせ

教育部 文化課
窓口の場所:新館6階
代表番号:092-323-1111
直通番号:092-332-2093
ファクス番号:092-321-0920

伊都郷土美術館
電話番号:092-322-5661

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