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「美人画展」インタビュー

更新日:2018年6月29日

繊細かつ大胆な美貌で魅せる「美人画展」

今回は6月26日(火曜日)~7月1日(日曜日)まで行われている「美人画展」でインタビューさせていただきました。

「美人画」と銘打たれている今回の展覧会は、画家 原田茂氏が模写や裸婦デッサンなど様々な女性の姿を描いた個展です。原田氏は学生時代に打ち込んだ美術を退職後に再び始めて、ついには個展を開くまで描き続けられている方です。

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手前の展示室には、落ち着いた女性たちの表情がきめ細やかなタッチで描かれたデッサンが飾られています。線の一本一本が重要で、少しでもずれると顔つきが変わってしまうとのこと。 それだけ細かな作品作りの上では、まず全体の構図を考えることから始まります。頭をどこに配置するか、どの部分までキャンバスに入れるか、最適な角度はどれか。そういった吟味から始まり細部の詰めへと移っていきます。
対象を観察し こだわりぬいて描いていくことで、体つきであったり微妙な表情であったり、微細な人体を理解していくことができます。
 
また、出来に満足のいったデッサン画は、油絵具により色をつけられることもあります。
 
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こちらは椅子に座った後姿の女性を俯瞰気味に描くという大胆な構図の作品、「読書」です。
金色の背景に、青を基調とした女性の対比が美しい仕上がりになっています。

背景のきらきらした金色は金の粉をといたもので、 何度も下塗りをしたキャンバスに滑らかな筆さばきで描かれています。

油絵の「下塗り」がどういった効果を生むのかも尋ねてみました。 この絵ではキャンバスにシルバーホワイトという絵具が下塗りに使われていますが、それにより発色もよくなり、元々のキャンバスの生地が主張しすぎるのを抑える効果があるそうです。印象派の画家ルノワールも使っていた手法だと聞き、時代を超えて受け継がれる技術に趣を感じます。
   
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奥には著名な絵画の模写が飾られていました。フェルメールの「真珠の首飾りの少女」など、一度は目にする有名な作品が多く、美術に深い造詣がなくても楽しめる作品群になっています。実際に見ると、画集や美術館で見たことのある本物が現れたかのような再現性の高さに驚かされます。
 
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こちらは今まであげた作品の雰囲気から一変した絵画で、今回の美人画展が2~3年以内に描かれたものが多い中、これだけは数十年前に完成した作品です。表情の読み取れない立ち姿は独特の存在感を放っています。
 
インタビューの中で「絵には性格が出る」との言葉がありました。模写やデッサンなど基礎を大事にし、繊細でありながら芯の通った強さが見えるような作品からは、原田氏の実直な人柄がうかがえるようです。
 
さて、今回の取材を通じて一つ紹介したいエピソードがあります。
退職後にふたたび情熱がわき、多様な描き方で絵を続けられている原田氏ですが、再燃の理由はなんと伊都郷土美術館で行われていたデッサン作品展だったそうです。この美術館が新たな画家を生むこととなったお話を聞くことができ、とても幸せな気持ちになることができました。

多様な女性の美しさを楽しめる「美人画展」は7月1日(日曜日)まで。ぜひ美術館にお越しください!
新たな出会いがあるかもしれません。


次回のインタビューは、7月末に公開予定です。

お問い合わせ

教育部 文化課
窓口の場所:新館6階
代表番号:092-323-1111
直通番号:092-332-2093
ファクス番号:092-321-0920

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