美術館だより（令和6年9月号）

　今回は小さな漁港スケッチの紹介です。
　9月中旬、お昼すぎに到着した箱島（二丈浜窪）、周りは何もない陸続きの小さな島でした。
　早速場所探しとなりましたが、なかなか気に入った場所が見つからず、また9月とは思えない猛暑で身の危険を感じる状態に一時間程で退散となりました。

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　収穫が無いまま徒歩で5分くらいにある駐車場に着いたところ、その前に二艘の小型船が止めてありました。なんとも味のある風景に出会い、早速スケッチです。
　素早く形を取り、また多くの写真を持ち帰り、自宅での葦ペン画遊びとなりましたが、自分では気に入った作品となりました。この港風景は、今後大作作りの手掛かりとなりそうで大きな収穫でした。

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　また、暑さのため現地でのスケッチはあまり出来ませんでしたが、帰りに加布里漁港周辺をぶらぶら散策し、多くの漁具といった味のある風景を探す事が出来、これからがますます楽しみです。

　今回の箱島でもう一つ感じた出来事は、ネット環境という存在の大きさでした。
　だれも来ないだろうと思って滞在した1時間程の間に、6グループの若者と出会った事です。
　何もないと思っていたこの小さな島に、男女問わず多くの若者が訪れるとは想像もしませんでした。
　老の域に入った自分としては、ネット社会は面倒くさいと避けて来ましたが、絵画に関わる情報収集及び発信にもっと活用してはと思います。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　糸島美術協会　　　　　　平田　昭二