美術館だより（令和3年度2月号）

第67回糸島美術工芸展を振り返って

　糸島美術協会主催の「第67回糸島美術工芸展」が1月4日から開催されました。今年もコロナ禍で開催を躊躇しましたが、対策を十分に行ったうえで、多くの来館者に鑑賞いただき、主催者の一員として喜んだところです。工芸展には、私も協会の一員として出品しました。作品は水彩画「グリーンシャワー」、F30号です。登山の途中、木漏れ日に木々の緑と一緒にシャワーとなり降り注ぎ、昔人が築いたであろう石段の景色を描きました。

　私の趣味は登山することで、いつもカメラと小さなスケッチブックを持っていきます。山は四季折々、新鮮な景色と空気を提供してくれて、登るたびに新しい感動があります。

 　その感動と体感を思い出しながら絵にしています。これが楽しいのでありますが、途中で筆が進まなくなると、再度山に登り現場を確認することもあります。

　自然が織りなす風景や野鳥のさえずりが心を癒し、また、昔人が延々と築いた苔むす石段を登るとき、その苦労と神々への信仰精神の強さを足元から感じることができます。

　今後も、このような思いを絵画から感じていただけるよう、頑張りたいと存じます。