美術館だより（令和3年度3月号）

油彩「私の桜島」について

　私はここ数年、桜島のスケッチを題材にして描いています。いつも心を奪われる魅力的な山です。鹿児島を象徴するこの桜島は、険しくそそり立つ稜線や、海上に浮かぶ広大な裾野の形が雄々しく堂々としています。また、繰り返されてきた噴火や噴煙からは強大な大地のエネルギーも感じられます。
　活火山としてのイメージにくわえ、朝から夕方への時間の変化とともに変わっていく空や山肌の色合い、そして四季折々に見せてくれる表情など、多くの魅力をもちあわせています。鹿児島を訪れるたびに、私の心の中には桜島という巨大な山が語り掛けてくるような気がしてならず、また描きたくなるのです。
　今では九州新幹線のおかげで近くなり、日帰りのスケッチ旅が楽しくなりました。これからも訪れ、私の感性や支店でとらえた桜島の魅力を豊かに表現したいと思っています。
　みなさんも、自分の心に響く題材をぜひ見つけてみてください。

美術協会　望月暢一