美術館だより（1月号）

先日の当番のとき、糸島出身の日本画家、松永冠山先生のご子息とお会いし、先生に関わるエピソードを聞かせてもらいました。

冠山先生が亡くなられて50年、いまでも盆や正月には、冠山先生の教え子の方から毎年お歳暮やお中元が送られてくるそうです。そこでご子息が、「父はもう50年前に亡くなっているので、気を使わなくていいですよ」と伝えたところ、「昔、先生から特待生に推選してもらい、経済的な援助をしてもらいました。その恩返しです」と返されたそうです。その後も、変わらず送られてきているとのこと。
当時の先生の優しさと、その恩をずっと覚えている教え子の方との、心温まるお話でした。
 
 
   

令和3年1月　五田定