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釜塚古墳(かまつかこふん)
更新日:2009年11月1日
福岡県糸島市神在の古墳
加布里湾を望む標高約5メートルの低地に築造された大型の円墳です。墳丘の直径は約56メートル、高さは約10メートルです。墳丘の周りには幅約8メートルの溝(周濠)が巡っており、それを含めると、外径は約72メートルにもなります。円墳としては福岡県下では最大級の規模です。墳丘は全て人工の盛土で造られており、1964年(昭和39年)ミカン植樹による造成のため、現在では5段となっていますが、本来は2段ないしは3段であったと考えられます。埴輪片が出土しており、墳丘上には埴輪が立てられていたと考えられます。
石室は墳丘のほぼ中央に位置し、南東に開口する横穴式石室です。玄室の規模は長さ約3.8メートル、幅約2.71~2.89メートル、高さ約2.1メートルです。玄室は偏平な割石を積み上げて造られていますが、入口の両側には大きな板石を立てて壁としています。奥壁には何かを掛けるための突起が作られています。羨道は長さ約2.47メートルで「ハ」字形に開いており、玄室より一段高くなっています。羨道へは上から入るようになっていて、石室は初期の横穴式石室の特徴をそなえています。
この古墳の築造時期は、石室の形態や出土した埴輪から古墳時代中期(約1550から1500年前)と考えられます。
釜塚古墳の石室は日本で横穴式石室が作られ始めた頃に特徴的な形態で、珍しいものです。横穴式石室は朝鮮半島から伝えられたものですが、古墳時代後期(約1500から1350年前)になるとほとんどの古墳に採用されるようになり、初期のものと比べて形態も変化しています。具体的には羨道と玄室の段差がなくなり、羨道へは横から入るようになります。
また、釜塚古墳は低地に造られていることが特徴です。古墳は通常は地盤のしっかりした場所に作られるのですが、これだけの規模の古墳が低湿地に造られているのは珍しいことです。
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