トップページ > 観光情報 > 歴史・文化・美術 > 史跡・文化財 > 鰭付円筒埴輪(ひれつきえんとうはにわ)が出土
鰭付円筒埴輪(ひれつきえんとうはにわ)が出土
更新日:2010年12月8日
井田原開古墳(いだわらひらきこふん)から出土した埴輪
調査経過
井田原開古墳は糸島市志摩井田原152番地ほかに所在する前方後円墳で、全長約90メートルを測り、糸島地域では一貴山銚子塚古墳(いきさんちょうしづかこふん)に次いで2番目の大きさである。5世紀初頭に築造されたと推定されている。
糸島市教育委員会は、平成22年5月から7月まで重要遺跡確認調査として井田原開古墳の発掘調査を実施し、墳丘の残存状況等を確認した。現在、当該調査で出土した埴輪等の出土遺物の整理作業を進めているが、多種多様な埴輪のあることがわかった。
出土埴輪について 鰭付円筒埴輪(ひれつきえんとうはにわ)の出土
井田原開古墳で出土した埴輪の種類には、円筒埴輪(朝顔形を含む)のほか、水鳥形、家形、器財[盾・靱(ゆき)あるいは蓋(きぬがさ)形]、などの形象埴輪があることがわかった。
また、円筒埴輪片の中に胴部の左右に鰭状の装飾を貼り付けた鰭付円筒埴輪という九州では出土例の少ない珍しい形状のものが含まれていることが確認された。鰭付円筒埴輪は、一般的に畿内の前方後円墳に出土する特徴的な遺物であり、このような畿内系の鰭付円筒埴輪の九州での確実な出土例としては、福岡市西区の鋤崎古墳(すきざきこふん)でのみ出土が確認されているだけで今回の井田原開古墳が九州で2例目である。
井田原開古墳で出土した埴輪の形状や器種のセット関係は、先述の鋤崎古墳や丸隈山古墳(福岡市西区・共に国史跡)などに類似しており、4世紀末から5世紀前半における古墳時代の糸島地域の大型前方後円墳の被葬者像を知る上で貴重な資料といえる。
鰭付円筒埴輪の破片(左・中/埴輪の胴部、右/鰭部)
お問い合わせ
地域振興部 文化課
窓口の場所:4階
代表番号:092-323-1111
直通番号:092-332-2093
ファクス番号:092-323-2344
文化財係
電話番号:092-332-2093