No.124
人権擁護委員
仲西 優満(なかにし まさみつ)さん(志摩新町/73歳)
悩みに寄り添う、地域の身近な相談相手
「人権のおじちゃん!」。地域で子どもたちにそう声を掛けられるのがうれしいと笑うのは、仲西優満さん。人権擁護委員として10年目を迎え、現在は福岡県人権擁護委員連合会理事なども務める。今までの功績が認められ、今年5月には全国人権擁護委員連合会長表彰を受賞した。
人権擁護委員は、市長の推薦を受け、法務大臣から委嘱される。仲西さんは名古屋市役所を定年退職後、実家のある糸島に戻り、行政で培った知識を地域に生かしたいと委員になった。
主な活動として人権相談があるが、その内容は、セクハラやパワハラ、家庭内暴力、いじめ、SNSでの誹謗(ひぼう)中傷など多岐にわたる。仲西さんが大切にしているのは、まず相手の話をしっかり聞くこと。相談者が自分で考え、次の行動につながるよう、状況を整理しながら助言を行う。仲西さんは「一人で抱え込まず、相談を一つの手段にしてほしい」と呼び掛ける。
また人権擁護委員が取り組む啓発活動の一つに、「人権の花運動」がある。これは、子どもたちが協力し合ってヒマワリを育てることで、優しさと思いやりの心を育むことを目的としたもの。育てたヒマワリから採れた種はメッセージ袋に入れ、紙風船で一斉に飛ばす。個人情報保護の観点から、メッセージには名前を入れない学校もあるが、仲西さんは、子どもたちが書いた言葉は一人ひとりの思いとして大切にされるべきだと考え、ニックネームでもよいので名前をお願いしている。ヒマワリが「人権の花」とされるのは、太陽に向かって真っすぐ伸びるその姿が子どもの成長と重なるから。一つ一つの花が集まって大きな花になる姿に、人権の意味が重なると仲西さんは考えている。
さまざまな相談に向き合う経験を通し、自身も成長を実感しているという仲西さん。子どもたちからの「ありがとう」は大きな励みになると笑顔で語る。今後は地域での人権教室の取り組みを広げ、次の人材育成にもつなげたいと考えている。「地域から選ばれているからこそ、顔が見える関係でいたい」。仲西さんの歩みは、人権擁護委員が私たちの暮らしのすぐそばにいる存在であることを教えてくれる。
▲福吉小学校での「人権の花運動」の様子(昨年度)

