代表 中村 恵理さん(写真前列中央)
No.121
コーラスグループ
エンジェルズ
世代を超えて共に歌う
「自分に戻れる」場所
金曜日の夜、美しく重なり合う歌声が聞こえてくる。子ども世代の「ジュニア・コール・エンジェルズ」と、高校生以上の大人世代「Original Beloved Angels(OBA)」から成るコーラスグループ、通称「エンジェルズ」だ。
代表を務める中村恵理さんが合唱指導を始めたのは40年以上前。当初から指導していたシニアグループが10周年を記念して行ったミュージカルが、現在のグループの原点だ。当時、子役として出演した子どもたちが「楽しかった、またやりたい」と熱望したことでエンジェルズが発足。30年以上の時を経て、成長した彼女らは今もOBAで歌い続けている。
この場所はメンバーにとって、単なる習い事の枠を超えた存在だ。進学や就職、結婚といったライフステージの変化の中で、妻や母としての役割を担うようになっても、ここは唯一「素の自分に戻れる場所」だという。かつて赤ちゃんを抱っこしながら練習に参加していた大人と、その姿を見て育った若者や子どもたちが、それぞれ、時には合同でハーモニーを奏でている。世代を超えた絆が、糸島の温かな風土の中で自然に息づく場所なのだ。
「コーラスは一人では成立しない」と語る中村さん。相手の声を聴き、声質を合わせる過程で、他者への思いやりや自己表現の仕方を学ぶという。またエンジェルズに所属する子どもたちは、親以外の大人と同じ目線で物事に取り組むことで、10年後、20年後の自分の姿を想像し、社会で生きる力を養っていく。
メンバーにとって練習日は、仕事や学校でのストレスを洗い流す「浄化」の時間でもある。世代も環境も異なる仲間たちが、対等な「友人」として笑い合い、一つの曲を作り上げる。そこにあるのは、互いの得手不得手をフォローし合う温かな連帯感だ。
エンジェルズは、大きなステージに立つことよりも、多世代の仲間と声を合わせる喜びや、自分たちが楽しみ続けることを大切にしている。その旋律は、今日もメンバー自身と聴く人の心を癒やし、明日へと踏み出す活力を与えている。
▲歌う前には全員で円陣を組み、心を一つにする

