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九大寺子屋

リーダー 日吉 恵都さん(写真前列左から3番目)

No.115

糸島人 糸島人

九大寺子屋(きゅうだいてらこや)

九大生の普段の
研究・学びが
小学生の「夢」になる

 九州大学の学生が市内の小学校を訪れ、学生自身の研究や学びを児童に分かりやすく伝え、交流する「九大寺子屋」。平成27年度に1校から始まり、現在は市内全校で実施されている、“大学があるまち”糸島ならではの取り組みだ。授業は、実験やスライドを用いた講義と質問タイムで構成され、アンケートでは毎年約99%の児童が「楽しかった」「勉強になった」と回答。児童は楽しく学び、学生は教える力を養い、双方にとって成長の場となっている。

 授業を担当する九大生は、法学部・医学部・工学部などさまざま。そのため、授業のテーマも、法律・化学・宇宙・哲学など多岐にわたり、担当する学生の数だけ存在する。一方で、専門的な内容を児童に分かりやすく伝える授業の準備は容易ではない。九大生同士で模擬授業を行って意見を出し合い、児童の日常に置き換えて説明するなど工夫を重ねている。

 また、児童からは「勉強のコツ」や「学食の好物」など素直な質問が飛び交う。授業で聞けなかったこと、答えきれなかったことは、「寺子屋通信」というお便りを九大生が作成し、後日回答している。

 リーダーの日吉恵都さん(大学院医学系学府修士1年)が行う「錯視」や「盲点」など不思議な現象をテーマにした授業は、児童から大きな歓声や驚きの声が上がる。中には「虹はなぜ7色であの順番なの?」といった質問も飛び出すなど、「現象を科学的に説明しがちな私にとって、子どもの感性は新鮮ですてき」と日吉さん。授業後には子どもたちが周りに集まって離れないほど。「活気ある環境で児童の発達に関わることができる時間は、精神医学を学ぶ私にとって貴重です」と笑顔で話す。授業では「自分が『フシギ』に思うことを追い続けてほしい」と必ず伝えるようにしている。興味や疑問こそが未来を形づくる原動力になると信じているからだ。

 九大寺子屋では12月21日(日)、中高生や大人向けに「出張 九大寺子屋」を開催予定(18ページ参照)。日吉さんも「ぜひ九大生と一緒に、学ぶ楽しさを体験してほしい」と呼び掛ける。

▲授業を担当する学生1人の他に、サポート学生が2〜3人付くため、児童一人ひとりに丁寧に対応でき、交流の機会も多い