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株式会社へいせい(海外 人材育成)の取組を取材しました!

更新日:2026年2月12日

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国境も業界の垣根も超えた海外 人材育成の可能性

  • 株式会社へいせい 取締役 建築部部長 濱里 芳文さん
  • 建築部 設計 柴田 志保里さん
  • ベトナム ズイタン大学 建築学部4年 インターン生 グエン・ティ・タイン・ヒエンさん
へいせいの濱里さん(右)柴田さん(左)ヒエンさん(中央) 壁の絵はズイタン大学から寄贈されたもの

へいせいの濱里さん(右)柴田さん(左)ヒエンさん(中央)
壁の絵はズイタン大学から寄贈されたもの

建設業界の人手不足や国を超えた人材育成に向き合いながら、株式会社へいせいは、SDGs目標「8.働きがいも経済成長も」「10.人や国の不平等をなくそう」につながる海外 人材育成に取り組んでいます。2024年にはベトナムのズイタン大学と協働し、「建設スキルアップラボ」を設置。建物の3D立体モデルをもとに製図化するBIM(ビム)やCG制作など、建築分野で求められる実践的な学びの場を整えました。ラボで学ぶ学生は、インターンとして約1年間糸島に滞在し、実際の住宅・マンション案件のCG制作業務やBIMの習得に参画します。今回は、ラボの責任者である濱里芳文さん、生活や業務面で学生を支える柴田志保里さん、へいせいで職務経験を積むインターン生、グエン・ティ・タイン・ヒエンさんに、建設業界における海外 人材育成の可能性や働きがいについて伺いました。

ベトナムの大学と協働して「建設スキルアップラボ」を設立

海外 人材育成に取り組むようになった背景を教えてください。

  • 濱里さん 建設業界では高齢化と人材不足が深刻化しています。BIMのようなデジタル技術に精通した若手育成の課題もありました。私たちは技能実習生など海外との人材交流を考える中で、ベトナムのズイタン大学様から「日本の技術を学べる環境を整えたい」という相談をいただき、2024年に人材育成プロジェクト「建設スキルアップラボ」を立ち上げました。大学側は学習環境を整備し、私たちはPC機材や建築のソフトウェアを寄贈して、CG制作・BIMの技術指導や日本での実務機会を提供するかたちで、大学と企業が役割を分担しながら、学生が実践的に学べる仕組みを整えました。

ベトナムのズイタン大学「建設スキルアップラボ」の様子
ベトナムのズイタン大学「建設スキルアップラボ」の様子

なぜベトナムの大学だったのでしょうか?

  • 濱里さん 現社長が出張でベトナムに長期滞在していたことがあり、現地の人材派遣の会社と情報交換する中で、2024年にズイタン大学様と接点を持つ機会があったのがきっかけです。ベトナムの建築教育は水準が高く、意欲ある学生が多い。また、BIMなどのデジタル技術への理解が早く、日本での就労需要の伸びを受けて日本語教育への関心も高いです。今後の建設分野で相互に成長できる関係が築けると感じました。

ヒエンさんがスキルアップラボを選んだ理由は?

  • ヒエンさん 私はズイタン大学3年生だった2024年に建築学部の教授の紹介で募集を知りました。日本語と建築の実習やBIMを本格的に学べること、日本へのインターン制度で、大学の授業とは別に実務に近い技術を学べることに魅力を感じて参加しました。インターン2期生の選抜に合格し、2025年2月から糸島で実務経験をしています。

実践的な人材をベトナムで育成する

「建設スキルアップラボ」では、どのような授業や学習環境を整えていますか。

  • 濱里さん 大学構内の教室を2つ借り、へいせいが導入した42台のPCを使って、日本と同様の設備でBIMやCG制作などを実践的に学べる研究所を設置しました。大学の課外活動という位置付けで、建築を専攻する3年生以上が対象。管理担当者は建築学部の教授です。現在6人の学生が建築ソフトを使用したCGパースや施工図の作成方法を学んでいます。柴田さんがラボの学生たちにヒエンさんと同じ制作課題を出し、オンラインで指導を行うこともあります。自分の制作物が日本でどこまで通用するか日本人にチェックしてもらえる上、成果物に応じて評価される仕組みを設けることで、学生の意欲向上にもつながっています。

インターン生はどうやって選んでいますか?

  • 濱里さん インターン生の選抜は半年毎の面接で決めており、成績やリーダシップ、積極性などを判断します。これまでに4人のインターン生が選ばれました。2024年のインターン1期生(1人)は、大学卒業後の2026年に正社員としてへいせいに入社予定です。
    (ベトナムの大学は5年制)

学生たちがBIMなどの建築ソフトの技術を学ぶ
学生たちがBIMなどの建築ソフトの技術を学ぶ

インターンとして来日したあとの学びについて教えてください。

  • 柴田さん ヒエンさんは、実際のマンションや住宅案件のCG制作、お客様に見せる住宅のパースの制作などに、実践的に取り組んでいます。日本とベトナムの住宅の違いを目で見て知ってもらうために現場に同行し、実際の建物や工程を見て学べる機会も設けています。

インターン生が働く職場。ヒエンさん(中央)
インターン生が働く職場。ヒエンさん(中央)

技術面だけでなく、生活面のサポートも担当しているそうですね。

  • 柴田さん はい。来日後の入居手続き、日常生活のフォロー、日本での働き方やコミュニケーションなど不安がないようにサポートしています。また、社員たちとプライベートで山登りや海でバーベキューをしたり、積極的に地域の祭りに参加したりと交流を心掛けています。

糸島での暮らしや仕事はどうですか。

  • ヒエンさん 会社の人も地域の人もみんな優しくしてくれます。糸島の観光地に連れて行ってくれたり、地域の行事を体験させてくれたりして楽しいです。九州大学に留学しているベトナム人の学生と出会って友達もできました。仕事は、実際にお客様に出すCGの作成を任せてもらえて、とてもうれしく思っています。

前原山笠で糸島の祭りを体験
前原山笠で糸島の祭りを体験

言葉の壁を乗り越え築いた信頼関係

取り組みの中で、大変だったことはありますか?

  • 濱里さん 言葉の壁は大きかったですね。海外との連携には文化や言語の違いがどうしてもあります。現在では常に6人くらいがラボで学んでいますが、設立時は思うように学生が集まらず、こちらの意欲と相手側の温度差を感じることもありました。大学側との日程調整や、どちらがいつまでに何をするか、といった取り決めも苦労しました。へいせいを理解してもらうために、ズイタン大学様の副学長と建築学部の教授を糸島に呼んで、へいせいの建築物の視察をしてもらい、お互いを知ることから少しずつ信頼関係を構築していきました。

ヒエンさん自身は、どんなことが大変でしたか?

  • ヒエンさん 日本語の専門用語が難しかったです。会社が終わってから、毎日自宅で1時間オンラインの日本語学習を続けていました。日本語は柴田さんや周りの皆さんが丁寧に教えてくださったので、実務を通して少しずつ覚え、できることが増えていきました。
  • 柴田さん ヒエンさんには会社の業務日報を日本語で書いてもらっていて、それが日本語習得の判断材料の1つになっています。他の社員と同様に会社の朝礼で発言してもらうこともあります。ヒエンさんの姿勢が、社員たちにとっても学びや刺激になっています。

インタビューに笑顔で答えるヒエンさん
インタビューに笑顔で答えるヒエンさん

人手不足の解消と海外へ技術を還元

この取り組みを始めて、どのような成果を感じますか?

  • 濱里さん 一番は、インターン生たちが実務レベルのスキルを身につけたことです。自社建築のCG制作を任せられるようになりました。さらに、技術がベトナムにも還元されることで、現地の建設業界を支える力にもなっています。オンライン上で業務が完結するので、いずれは自国にいながら国を超えて専門性を活かした仕事に関われる機会が広がると考えています。日本企業で仕事をしていたという社会的信用性は、その後のキャリア形成にも役立つはずです。将来的には、海外 人材が得意分野を担い、日本側が品質管理や設計により注力できる体制を目指しています。双方にとってより良い働き方ができることは、SDGsの「働きがい」にもつながると感じています。

ヒエンさんは、この1年でどんな変化がありましたか?

  • ヒエンさん 日本語力やCG制作、BIMの技術力が大きく伸びました。日本の建築様式を間近に見て学ぶことができ、日本文化にも触れることができました。最初は不安もありましたが、実務経験のおかげで自信がつき、帰国後もこの技術を生かせると思います。
  • 広告に使用されたヒエンさん作成のCG

    広告に使用されたヒエンさん作成のCG

  • ヒエンさんがCGで作成した顧客の家の完成図

    ヒエンさんがCGで作成した顧客の家の完成図

インターン生のキャリアアップにはどのようなものがありますか?

  • 濱里さん へいせいで日本の建築基準に触れながら学んだ実務スキルは、インターン生にとって高い専門性を身につける大きな強みになります。1期生は帰国後、大学のスキルアップラボで後輩の学生に技術指導を行う立場になりました。日本語や日本の仕事の進め方を理解しているため、現地と日本をつなぐ重要な役割を担っています。今後はCGやBIMの専門性を生かした技術指導者や品質管理、さらにはプロジェクト全体のディレクションに関わる人材へと成長できるよう、キャリアの幅を広げる育成に力を入れていきたいです。

国籍を問わず共に働き、地域で幸せに暮らせる未来へ

今後の展開を教えてください。

  • 濱里さん 海外 人材たちがBIMやCGなどの「作る側」を担い、日本側は「チェックと品質管理」へ集中する体制を目指しています。今はまだ大学との試験的な取り組みかもしれませんが、将来的には現地にへいせいの支社のような拠点を設け、継続的な育成を進めていきたい考えです。
    インターン生は「学びを生かして自分たちの国をより良くしたい」という意識を強く持っています。へいせいでは30年以上前から海外 人材を雇用しており、その中には役員や管理職として活躍する人材もいます。
  • SDGs目標の「働きがい」「経済成長」「人や国の不平等をなくす」を念頭に、ベトナムでの人材育成をさらに進めるとともに、インターン生の受け入れ拡大や、同業他社との連携にも取り組んでいきたいです。このモデルがへいせいだけにとどまらず、日本の技術を学びたいベトナム側と、人手不足に悩む日本の建設業界双方の課題解決につながり、両国が共に発展していくことが理想です。

糸島での取り組みとしては、どのように広げていきたいですか?

  • 濱里さん 海外の方が安心して住み続けられるまちづくりを進めたいと思っています。へいせいは現在24人の海外 人材を雇用しており、海外 人材が地域で暮らし、働く上でのサポートや相互理解は欠かせません。糸島にインターン生や技能実習生などの海外の方が増えていく中で、地域の皆さまと交流する機会をさらに広げたいです。
  • 今後も地域の祭りやイベントにインターン生や海外 人材を同行し、多文化交流の機会を積極的に作っていきます。地域と企業が協力しながら互いを理解し合うことで、海外 人材が「このまちで暮らしたい」と思える環境が整い、海外 人材が地域の一員として暮らし続けられることが、糸島の多様性や地域の活性化にもつながると考えています。

最後に、ヒエンさんから糸島へのメッセージをお願いします。

  • ヒエンさん 糸島は自然がきれいで、食べ物がおいしく、人がとても優しい場所でした。学んだことを持ち帰り、将来また糸島に戻って働けるように頑張りたいです。ありがとうございます。

【企業情報】
企業名:株式会社へいせい
創業:1947年
従業員数:151名
所在地:糸島市前原西5-1-31
主な事業:総合建設業(土木・建築・住宅・不動産・リフォーム・ハウスクリーニング)

お問い合わせ

経営戦略部 企画秘書課
窓口の場所:4階
ファクス番号: 092-323-2344

秘書係
電話番号:092-332-2111

企画調整係
電話番号:092-332-2061

行政改革推進係
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