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株式会社へいせい(居住支援法人)の取組を取材しました!

更新日:2026年1月14日

SDGsロゴ SDGs目標11 SDGs目標17

誰もが安心して暮らせるまちへ 糸島初の居住支援法人の挑戦

  • 株式会社へいせい 不動産部次長 長尾基生さん
  • ペルル司法書士法人 司法書士、一般社団法人 糸島市空き家予防推進協議会 代表理事 吉田亜希子さん
へいせいの長尾さん(左)と司法書士の吉田さん(右)

へいせいの長尾さん(左)と司法書士の吉田さん(右)

高齢化や相続未整理を背景に、糸島市でも空き家の増加と住まいの確保の課題が顕在化しています。株式会社へいせいは司法書士と連携し、「糸島市空き家予防推進協議会」を立ち上げました。さらに、糸島市に居住支援法人が1つもなく、福岡市へ委任しなければいけなかったため、2024年に市内で初の「居住支援法人」の認定を取得。居住支援法人として、仮住まいの提供や住み替え支援を通じ、誰もが安心して暮らせるまちづくりを進めています。この取り組みは、SDGs目標「11.住み続けられるまちづくりを」に直結しています。福祉・法務・不動産が三位一体で挑む、居住支援や空き家予防の取り組みについて、へいせい不動産部次長の長尾基生さんと司法書士の吉田亜希子さんに伺いました。

「空き家を未然に」から始まった協働

糸島で「空き家予防推進協議会」を立ち上げたきっかけを教えてください。

  • 吉田さん 高齢者の施設入所などでご自宅が空き家となり、家の管理が行き届かないままだったり、相続のことなどが手付かずで放置されて朽ち果てていったりする空き家を目の当たりにする度に、「空き家問題を未然に防ぎたい」という気持ちが強くなっていました。長尾さんに私の思いを伝えたところ、「ぜひやりましょう」とへいせいさんと私をつないでいただき、協議会の立ち上げに至りました。本当に感謝しています。
  • 長尾さん いつも相談者の方々に真摯に向き合う吉田さんに協力したいと思いました。

「空き家を見ると家が泣いているように感じる」と話す吉田さん
「空き家を見ると家が泣いているように感じる」と話す吉田さん

居住支援法人について教えてください。

  • 長尾さん 住宅確保に困難を抱える高齢者や障がいのある人、子育て世代などの要配慮者に対して、住まいの提供や見守り支援を行う法人のことです。国の *住宅セーフティネット制度のもと、行政や福祉機関と連携しながら安心して暮らせる環境を支える役割を担っています。
    *住宅セーフティネット制度:住宅の確保が特に難しい「住宅確保要配慮者」が、民間賃貸住宅に入居しやすくなるように支援する制度。

糸島で初めて「居住支援法人」として認定されましたね。

  • 長尾さん 高齢化社会の中で、不動産業でも福祉の方とのつながりが必要な場面が増えてきて、相続や空き家予防の取り組みは不可欠だと感じていました。当社は「地域に貢献する」という方針を掲げています。糸島市には当時「居住支援法人」がなかったという状況を知り、へいせいの建設・不動産、およびへいせいグループの福祉の総合力で「地域のために役立つことを自分たちがやらなければ」という強い思いから実現に至りました。
  • 吉田さん 糸島市で唯一の居住支援法人として、地域に欠かせない存在だと思います。

「吉田さんと共に支援活動ができてうれしい」と話す長尾さん
「吉田さんと共に支援活動ができてうれしい」と話す長尾さん

暮らしの困りごとに寄り添う居住支援と相談会

居住支援法人の認定から約1年になります。どのような支援をされましたか。

  • 長尾さん 地域包括支援センターや行政窓口から相談を受け、今まで4件の「仮住まいのサポート」を行いました。一般的な住宅契約が難しい事情を抱えた人に、自社が保有する物件を、初期費用や家賃を抑えて提供し支援しています。

空き家予防の活動はどのように進めていますか。

  • 吉田さん 協議会では、空き家・相続・介護など、暮らしに関わる困りごとを何でも相談できる「くらしの相談会」を月に1回開催しています。相続登記が義務化されたこともあり、相続登記に関するご相談が多いです。他には自宅や実家が空き家になりそうなど、将来に備えたご相談も増えてきています。来所が難しい方には出張相談も行うなど、柔軟に対応しています。

「くらしの相談会」の様子
「くらしの相談会」の様子

くらしの相談会は毎月「健康福祉センターあごら」にて開催
くらしの相談会は毎月「健康福祉センターあごら」にて開催

相談者との信頼づくりで心掛けていることはありますか。

  • 吉田さん 「聴く」姿勢を大切にすることを心掛けています。支援を必要とされる方は、これまでの生活の中で「断られた」「分かってもらえなかった」という経験を重ねていることが多いように思います。そのため、最初から解決策を提示するよりも、「丁寧に聴く」ことが信頼の第一歩になると思って対応しています。しっかりお話を聞いてから、困りごとの解決策を提案しています。「解決の選択肢が増えるだけでも心が軽くなった」とうれしいお声もいただいています。協議会のキャラクターが「くらしさん」なので、皆さんから「くらしさんに聞いてみよう!」と気軽に言ってもらえるような存在になれたらうれしいです。

協議会キャラクターの「くらしさん」と吉田さん
協議会キャラクターの「くらしさん」と吉田さん

支援物件の確保と「セーフティネット住宅」の課題

居住支援を始めて直面した課題や難しさは何ですか。

  • 長尾さん 一番の課題は、支援のための物件の確保です。支援に使える物件が限られており、現在は自社保有物件で対応しています。市内の家賃水準の上昇も問題です。国土交通省が進める、高齢者・外国人・DV被害者などの住まいにお困りの要配慮者をサポートする「住宅セーフティネット」についても、賃貸住宅を提供するオーナー様のご理解を得ることが難しいのが現状です。

空き家予防についてはいかがですか。

  • 吉田さん 空き家のリノベーションや売却を検討しても、立地条件や旧耐震の建物、市街化調整区域の問題があり、成約につなげられないことが多くあります。また、空き家が長年放置され家屋も朽ち果てているような場合には、解体や草刈りなどが必要ですが、経済的理由などから業者に委託できず、そのままになってしまっているという問題もあります。

不動産の窓口で居住支援について説明する長尾さん
不動産の窓口で居住支援について説明する長尾さん

行政・不動産・法務が連携し支援を拡大

活動の成果や変化を感じることはありましたか。

  • 長尾さん 行政との連携がより強くなり、相談の受け皿として少しずつ機能し始めていると感じます。1つの事例としては、福祉の総合相談窓口から依頼を受け、相続の問題が起きた住まいにお困りの要配慮者の方に対して、相続登記の手続きや家の売却、住まいの提供までを吉田さんと連携して行うことができました。法務に関することは吉田さんに、住まいについては当社で手配を行うなど、連携の形が定着しつつあります。
  • 吉田さん 糸島市社会福祉協議会に新設された「糸島市成年後見センター」からご相談や後見申し立てのご依頼をお受けするなど、行政や福祉機関とのつながりも少しずつ広がっています。空き家のことと居住支援法人がしっかり結びつき、行政から相談を受ける流れができてきました。行政・不動産・法務というトライアングルが形になりつつあります。今はまだ薄いけれど、もっと濃い連携にしていきたいと思っています。

取り組み事例を振り返り、支援の在り方について語る2人
取り組み事例を振り返り、支援の在り方について語る2人

関心を持ち合い、支え合うまちへ

糸島市を「住み続けられるまち」にするために必要だと思うことは何ですか。

  • 吉田さん 若者から高齢者まで、みんなに関心を持つことです。糸島のある地域では、ゴミ出しに困っている高齢者の方がいらっしゃいます。例えば、中高生が登下校の際にゴミ出しを手伝うのはどうかなと考えたりします。若者たちに新しい視点で地域づくりの提案をしてもらうのもいいですね。みんなで一緒に考え、地域に関心を持ち続けていってほしいです。そのためにも、私にできることを精一杯していきたいと思います。
  • 長尾さん 居住支援法人として、入居者やその家族、オーナー様にも安心して暮らしていただけるよう、入居後の見守りや安否確認(電力見守りや声掛け等)の新たな取り組みを検討中です。物件の提供だけでは生活支援は成り立ちません。介護・福祉・移動・就労など暮らしのインフラと一体で支援を進めることが大切です。これまでの取り組みを基に、市民の皆さんにも居住支援を理解していただき、支援を進めていきたいです。
    この取り組みは、SDGs目標「11.住み続けられるまちづくりを」だけでなく、「17.パートナーシップで目標を達成しよう」にも通じています。行政・福祉・法務・事業者・地域との連携を深めながら、誰もが安心して暮らせる仕組みを育てていきます。

【企業情報】
企業名:株式会社へいせい
創業:1947年
従業員数:151名
所在地:糸島市前原西5-1-31
主な事業:総合建設業(土木・建築・住宅・不動産・リフォーム・ハウスクリーニング)

お問い合わせ

経営戦略部 企画秘書課
窓口の場所:4階
ファクス番号: 092-323-2344

秘書係
電話番号:092-332-2111

企画調整係
電話番号:092-332-2061

行政改革推進係
電話番号:092-332-2061

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