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前原ダイキュー運輸株式会社の取組を取材しました!
更新日:2025年10月17日

国籍・性別・年齢や障がいの有無を超えた雇用を促進
前原ダイキュー運輸株式会社 代表取締役 関口 雄一氏
前原ダイキュー運輸は、糸島市神在西1丁目に本社を構える運送会社です。2023年に「福岡県SDGs登録制度」の第3期登録事業者にも認定された同社では、SDGsに繋がる様々な活動を行っています。2025年は特にダイバーシティ経営(性別、年齢、人種、障がいの有無、価値観などが異なる多様な人材が、能力を十分に発揮できる機会を提供すること)に注力しています。今回、代表取締役社長の関口雄一氏に、その詳しい取り組み内容と今後の展望について伺いました。
本社に並ぶ運送用トラックと関口社長
公道を職場とする社会的責任
御社はSDGsに関する多くの取り組みを行っています。何かきっかけがあったのでしょうか。
- 一番大きいのは、労働者不足の問題です。いわゆる「2024年問題」もあり、ドライバー不足が年々深刻化しています。そこから、性別や国籍を超えた雇用を視野に入れるようになり、自然とSDGsの活動にもつながっていきました。私たちの事業は公道を使って仕事をしています。つまり、プロドライバーにとって、安全運行が社会的使命でもあります。十分なドライバーの人員を確保し、職場環境を整えることが大変重要です。
また、2023年に「福岡県SDGs登録制度」の第3期登録事業者として登録されたことも活動の幅を広げるきっかけになりました。
具体的にはどんな活動を広げたのでしょうか。
- 10年以上前からトラック協会が主催する交通安全運動に参加し、福岡県内の交差点で啓発活動を行ってきました。福岡県の登録事業者になったこともあり、2023年から市内でも啓発活動を開始しました。年に4回の交通安全運動期間に「信号を守ろう」の横断幕を掲げ、通勤通学時に横断歩道に立って安全に渡れるように見守り活動しています。私と部門長7名で参加していますが、みな率先して声を出してくれています。朝の1時間という短い時間ではありますが、地域住民の方が「おつかれさま」と声をかけてくださいます。先日も、自転車に乗った中学生が「ご苦労様です!」と元気にあいさつしてくれて、うれしかったですね。さらに令和6年度から月に一度、地域の清掃活動も実施しています。
「さぎんSDGs取組支援・宣言サポート」にも登録されている
第三土曜日に清掃活動を実施
交通安全の啓発活動
外国人・女性・障がい者雇用など多様性ある雇用を促進
ダイバーシティ経営に力を入れているとうかがいました。具体的にはどんな取り組みをしていますか。
- 一番力を入れているのが多様性のある雇用ですね。2025年から自動車運送業において外国人雇用ができるようになりました。当社も今年の8月から、ミャンマー出身の2名を整備士として、スリランカ出身の3名をドライバーとして雇用しました。皆明るく、とても頑張っています。
女性の雇用も年々増やしています。2018年は2名でしたが、現在は11名。女性ドライバーも2名います。
また、親会社のOBや同業他社を定年退職された高齢者雇用も実施しています。60代、70代の方が現役で活躍しています。

スリランカ出身のリヤナゲさんと関口社長
障がいのある方についてはいかがでしょうか。
- 積極的な雇用を始めています。現在は心臓にペースメーカーを入れた65歳の方が営業職で頑張っています。
また、太宰府にある特別支援学校と協議を進め、来春卒業予定で糸島市在住の生徒に内定を出しました(2025年9月時点)。発達障がいがある彼は、運送会社で勤務していた祖父に憧れて、幼い頃からドライバーになりたかったとか。学校とも協議して、まずは夏休みの1カ月間、インターンシップに来てもらいました。とても意欲的で毎日自転車で通い、時間通りに出社。インターンシップの終わりには「早く働きたい」と言ってくれました。11月と1月にも入社前研修を行いますが、今から入社が楽しみです。入社後は、添乗教育といって、部門長がトラックに同乗して丁寧に指導していく予定です。学校・先生方とも十分話し合い、彼の特性を見極めて、生き生きと働いてもらえるようサポートしたいと思います。
多様性のある雇用を実現するために工夫していることはありますか。
- 働きやすい環境を目指して、ハード面を少しずつ改善しています。以前は女性社員が3名だったこともあり、社内に女性用トイレが1つしかなかったんですよ。そこで、2階にあった浴室と脱衣所をリフォームして女性専用トイレとパウダールームを作りました。女性社員に好評です。
落ち着いた雰囲気のトイレとパウダールーム
食品ロスの問題や資源循環にも目を向けて
食品ロスに関する取り組みもしているそうですね。
- 走行中、積み込みや荷卸し中に発生した損傷貨物においては、買い取っています。以前は社内で割引販売していましたが、現在は社会福祉協議会を通じて食品を子ども食堂等に無償提供しています。令和5年度は7回(129点/245kg)、令和6年度は16回(117点/156kg)、寄贈することができました。子ども食堂が市内には11カ所あるそうですが、子ども達からお礼の手紙をもらうこともあり、社内に飾っています。
食品を寄贈する関口社長
子ども達からのお手紙
ほかにも実施している活動はありますか。
- LEDの利用、事業で出るプラスチックのリサイクル、アイドリングストップ、トラック協会における植樹活動など小さなものから大きなことまで、資源の再利用や循環に関する活動を行っています。例えば、コピー用紙一枚だって無駄にしません。事務所に「ペルプバッグ(専用回収袋PELP! BAG)」というものを置き、両面使ったコピー用紙は、このバッグに入れて大阪の製紙会社に送っています。全従業員が一つひとつを意識して、当たり前に取り組んでくれています。
活動の継続と新たに広がる取り組み
実施中の活動について、今後どう発展させていきたいですか。
- 外国人社員のために社宅を完備したいと考えています。それには課題もあります。宅建協会と進める中で、オーナーさんのご理解が得られない場合もあり、なかなか難しいです。外国人雇用を進めていくためにも、糸島市や関係各所の協力を仰いで、少しずつクリアしていきたいですね。
また、2024年開校の糸島特別支援学校では2027年の春、初めての卒業生が出ます。その卒業生も雇用できるよう、関係各所と協議を進めています。
今回、内定した学生の保護者が「地元で働いてくれるのが一番安心」と話していました。わたしたちも、地元糸島の子どもたちに入社してもらえるとうれしいですね。始まったばかりの障がい者雇用ではありますが、ここで働くことで生きがいややりがいを感じてほしいと思います。
新しく取り組みたいことはありますか。
- 新規事業として水耕栽培に挑戦しようと考えています。今、中間市と中間市にある希望が丘高校とが連携して「中間市の特産品を作ろう!」ということで無臭にんにくを作っています。これを福岡市内の「ラッキーパンチ」という店舗が販売しており、当社でも販売ルートの紹介を行いました。当社も新しく建設予定の倉庫で、この水耕栽培としいたけ栽培を行ってみては、という話になっています。販売ルートの目途も立っています。そちらの部門で、障がい者雇用や高齢者雇用を広げていきたいと考えています。
今後の展望について語る関口社長
【企業情報】
企業名:前原ダイキュー運輸株式会社
創業:1998年
従業員数:77名
所在地:糸島市神在西1-5-1
主な事業:一般貨物運送事業・利用運送事業・軽貨物運送事業



