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弥生時代の木製鎧(木甲(もっこう))を特別公開します。

更新日:2024年7月25日

内容

令和4年度に行った二丈深江にある深江石町遺跡の発掘調査で、弥生時代の木製鎧が発見されました。

木製鎧は、発見時に状態が悪く脆かったため、保存処理を行っていました。

今回、保存処理が完了したので、この木製鎧を、伊都国歴史博物館で特別公開します。

深江石町遺跡 木製鎧(木甲)出土状況

深江石町遺跡 木甲出土状況

深江石町遺跡 見取り図

深江石町全体図

公開する弥生時代の木甲について

弥生時代の木製鎧は、後胴1枚と前胴2枚を組み合わせて使用します。

今回の調査でも後胴1点、前胴2点、半裁材2点が出土していますが、いずれも製作途中で、3号土坑は木器製作に関係する土坑と考えられます。

時期は、弥生時代後期前半(後1世紀前半頃)です。

出土した木製鎧のうち、後胴が完成形に最も近く、背後に向かって反る羽根をもち、コの字形の装飾を上部に入れています。

全体的に装飾が少ないのは、製作途中のものであるためと考えられます。

同じタイプの木甲は、伊場遺跡(静岡県浜松市)の例があり、こちらは、完成品で多くの装飾と黒漆・赤漆を塗布しています。

弥生時代の木甲は、17例(うち、刳抜式8例)あります。

しかし、完形で出土した例は非常に少ないため本例は、構造が分かる貴重な資料であるとともに、製作途中の未成品であるため、木製鎧の製作手順も分かる資料です。

また、鎧でありながら羽根という鳥装を彷彿とさせる形状から、武人と司祭の役割を併せ持つ統率者が想定されます。

この木製鎧が作られた弥生時代後期前半は、「倭国大乱」の前夜にあたり、当時の「伊都国」の実態を知る上で注目されます。

木製鎧(木甲) 後胴

短甲(後胴)

木製鎧(木甲) 左前胴表

短甲(左前胴表)

木製鎧(木甲) 前胴右表

短甲(前胴右表)

木製鎧(木甲)復元図

木甲復元図(後) 
(背面より)
木甲復元図(横)


(斜め前より)
  • 調査年度:令和4年度(令和4年7月25日から令和5年3月31日)
  • 遺跡名:深江石町遺跡
  • 遺構名:3号土坑
    【木甲法量】
    後胴:長さ39.8センチメートル(羽根含む)、幅34.6センチメートル、厚さ1.8~5.0センチメートル、樹種:カキノキ属
    前胴(右):長さ46.5センチメートル、幅27.7センチメートル、厚さ5.5~10.5センチメートル、樹種:カキノキ属
    前胴(左):長さ47.5センチメートル、幅28.0センチメートル、厚さ6.6センチメートル(最大)、樹種:カキノキ属
    半裁材1:長さ43.4センチメートル、幅30.6センチメートル、厚さ12.4センチメートル、樹種:カキノキ属
    半裁材2:長さ52.0センチメートル、幅28.7センチメートル、厚さ13.7センチメートル、樹種::カキノキ属

特別公開期間

 令和6年7月26日(金曜日)から

 注:月曜日休館(ただし、月曜日が祝日の場合、翌平日は休館)

開館時間

 9時から17時まで(最終入館16時30分)

観覧料

通常の入館料(下記)にてご覧いただけます

入館料

大人220円(110円)、高校生110円(50円)

注:有料入館者20名以上の場合、上記( )内の団体料金でご覧いただくことができます。

注:小中学生・65歳以上無料(年齢が分かるもの(免許証・保険証等)の提示をお願いします)

  身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳等を提示の場合(付添1名まで)は無料

会場

 糸島市立伊都国歴史博物館 3階常設展示室

 (福岡県糸島市井原916)電話番号:092-322-7083

お問い合わせ

糸島市伊都国歴史博物館
電話番号:092-322-7083

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