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社会福祉法人二丈福祉会を取材しました!
更新日:2025年12月1日

福利厚生とキャリア形成を重視、誰もが生き生きと働ける職場に
- 社会福祉法人 二丈福祉会
特別養護老人ホーム 仙寿苑 施設長 持田 逸美 さん
特別養護老人ホーム はまぼう 施設長 谷口 千代美 さん
「仙寿苑」の皆さん。撮影前の会議では活発な意見交換が行われていた
社会福祉法人二丈福祉会は、糸島市二丈地域を拠点に地域の高齢者に寄り添いながら、住み慣れた場所で大切な人と一緒に暮らすことを支援する社会福祉法人です。
福岡県SDGs登録制度の登録事業者でもあります。SDGsの目標である「ジェンダー平等の実現」や「すべての人に健康と福祉を」、「働きがいも経済成長も」に関する取り組みとして、職員の労働環境・制度の整備、健康管理、キャリアアップ制度の導入などを積極的に行っています。幅広い取り組みと成果、今後の展望について、同法人の施設長の2人に伺いました。
休暇が取りづらい社会・業界を問題視
労働環境改善に関する取り組みを重視していますね。どんな問題意識があったのでしょうか。
- 持田さん 日本社会全体で、休暇を申請しづらい、就業時間を個々の事情に合わせられない、といった企業がまだまだ多いと思います。特に福祉の仕事は24時間365日、途切れることがありませんので、シフトの調整や休暇の取得が難しいのが現状です。また女性が多い職場でありながら、子育て世代が育児休業を取りづらいというのが大きな問題でした。現状を改善するためには、まず労働環境を整備し、健康面と福祉面に配慮した枠組みを作ることが重要であると考えました。
- 谷口さん 福祉業界に限ったことではありませんが、今後ますます労働人口が減っていきます。今働いている方々が、職場に定着すること、働きがいとやりがいを持って働けることも大切だと感じていました。
「職員の心のケアも大事」と語る持田さん
職員のライフスタイルと健康面を配慮
具体的にはどんな取り組みをされたのでしょうか。
- 持田さん まずは男女関係なく育休を取得しやすいように、就業規則を改定しました。また、国の育児休業給付金の受給要件を満たすように、休業期間などを調整しています。
実際 、入職1年目の男性が2人目の出産に合わせて育休制度を活用し、男女を問わず制度を活用しやすい環境が整ったと実感しています。また、育休取得後の時短勤務制度を拡大し、乳児限定だった適用枠を未就学児まで対応できるように変更しました。
さらに、早番しかできない、遅番しかできない、土日は働けないといった個人の事情に合わせて、柔軟な働き方ができるようにしました。
職員の健康面と福利厚生面はいかがでしょうか。
- 谷口さん 定期健診の受診促進、受動喫煙の防止、管理職による面談実施を推進しています。特に腰痛に関しては年に2回、腰痛調査を行い、腰痛ゼロを目指しています。職員たちは日々の業務が忙しく、腰痛予防をはじめとした健康管理をどう定着させていくかが課題ではあります。定時退社の声掛け、有給休暇取得の促進も実施しています。
またノーリフティングケアを導入し、介護職員の負担減に取り組んでいます。いわゆる「抱えない介護」と呼ばれる介護方法で、人の力で直接持ち上げたり抱えたりせず、リフトなどの福祉用具を適切に活用するものです。全ての職員が健康で元気に働けることを目指しています。

幅広い世代が働く同法人。写真は事故予防委員会の会議風景
働きがいもやりがいも。キャリアアップ制度を導入
職員のキャリア形成にも力を入れていると聞きました。
- 持田さん キャリアアップ助成制度を整備し、全ての職員にキャリア形成のための研修や教育の機会を提供しています。新しく資格を取りたい、勉強をしたい、という職員には就労時間内・年間上限内で補助を出し、積極的に支援しています。
また、令和6年4月の法整備により、入職後1年以内に「認知症介護基礎研修」を受講することが義務化されました。海外からの技能実習生も入職後に研修を受けて、介護職に従事してもらっています。
キャリアアップがどのように働きがいにつながるのでしょうか。
- 谷口さん キャリアアップすることで業務の幅が広がり、資格取得により資格手当がもらえますので、仕事への意欲向上につながります。
制度を整えたことで外国籍の社員も増えて、人材不足を補うことができています。
技術習得に励むインドネシア出身の技能実習生たち
貧困をなくし、海の豊かさを守る活動も実施
ほかにも、SDGsにつながる活動を幅広くされていますね。
- 持田さん 法人として、小さなことから大きなことまで多彩な活動を行っています。
例えば、ICT助成金を活用して、介護ロボットを導入し、職員の負担を軽減。また、ノーリフティングケアを導入したことで70代の介護職員が活躍できています。80代の調理員も雇用しています。
さらに、法人で「ライフレスキュー」という活動を行っています。高齢者世帯の自宅の片づけをサポートしたり、消費期限が近い食品や地元野菜、不要な衣類を集めて子育て・貧困世帯へ配布したりしています。
「海の豊かさ・陸の豊かさを守る」という視点では、深江海岸のクリーンアップに参加。障がいのある施設利用者さんたちによるリサイクル活動も支援しています。

「仙寿苑」から望む深江の海。ビーチクリーン活動にも参加
労働環境改善を継続し、地域の福祉拠点を目指す
今後はどのような取り組みをしていく予定ですか。
- 谷口さん 介護の効率化を図ることで、もっと職員の労働環境を良くしたいですね。一例として、2年前から、使用するおむつを機能性の高いものに変更しました。医療面のエビデンスに基づいて改良されたもので、夜間の交換が減り、利用者さんの睡眠の質が向上しました。これにより、利用者さんのQOL(生活の質)が上がり、ゴミが減り、職員の負担も減りました。購入価格は上がったものの、トータルで見るとコスト削減になりました。ほかにも医療・科学的な根拠やデータに基づき、小さなことから改善していけば、職員の働きやすさや環境保全につながります。ひいては職員の家族の健康や幸福にも寄与できると思います。

職員の負担を軽減するためにICT化を進めている
地域や市民に協力してほしいことはありますか。
- 持田さん 今後は高齢者だけでなく、介護・医療・福祉・健康など多方面で地域の方々を支える地域の福祉拠点・情報発信の場になりたいと考えています。現在、認知症の方やご家族などが集う二丈圏域の「認知症カフェ」に専門講師を派遣しています。認知症に対する理解を深める場として、地域の方にも参加していただきたいですね。
また、当法人では、2026年2月に新たな児童発達支援センター「かえで」を開設予定です。子どもから高齢者まで幅広い方々をサポートし、その中でできるSDGsの取り組みも探っていきたいと思います。
私たちはこれからも性別や、国籍、年齢にかかわらず、多様で柔軟な働き方ができる社会を目指して活動していきます。
介護の効率化を推進
終始笑顔で対応してくれた持田さん(左)と谷口さん(右)
【企業情報】
企業名:社会福祉法人 二丈福祉会
創業:1989年
従業員数:120名
所在地:糸島市二丈深江2291-1
主な事業:介護支援サービス・障がい福祉サービス・デイサービス・地域包括支援センター事業ほか



