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【SDGs認知・共感促進事業】姫島小学校、志摩中学校姫島分校の取組を取材しました!

更新日:2025年3月27日

糸島市は令和5年度に「SDGs未来都市」に選定され、「糸島市SDGs未来都市計画」に基づく取組を推進しています。SDGsの達成には、市民・団体・企業など、皆さん一人ひとりの行動が必要不可欠です。

そこで、令和6年度から令和7年度にかけ、「SDGs認知・共感促進事業」を実施することとしています。
市内で活動する市民・団体・企業等のSDGsに関する取組を取材し、情報発信することで、SDGsに関する取組の“認知”と“共感”を促し、SDGsに対する市全体の意識を高め、一人ひとりの行動変容につなげていくことが目的です。

令和6年度は、市内の各小中学校における取組を取材しています。
「SDGsとよく聞くけれど、具体的になにをすればいいの?」と疑問を抱かれている方も、今回発信していく取組を参考に、身近な課題の解決に向けた行動につなげていただければと思います!

  • 「SDGs未来都市」選定時のページは、こちら

【姫島小学校、志摩中学校姫島分校】故郷を知り、思う心を育む 鎮山クリーンアップ

志摩岐志の渡船場から船で16分。人口約140人の姫島にある姫島小学校・志摩中学校姫島分校は、六角形の木造校舎で吹き抜けのある造りが印象的な学校です。校舎の前には玄界灘、後ろには標高186mの鎮山が見守る自然に囲まれた環境で、小学生8名、中学生2名、教職員15名が学校生活を送っています。島民同士のつながりが強く、学校行事の文化祭や運動会などはPTAだけでなく地域の人たちも参加して盛り上がるのが恒例です。今回は、地域や九電グループの人たちと一緒に鎮山クリーンアップ活動に取り組み、自然を守ることに加えて故郷の山を改めて知り、大切に思う心を育む子どもたちの様子をレポートします。
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    頂上で笑顔の子どもたちと九電グループのみなさん

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    校舎の裏手に広がる鎮山

めあてを胸に 鎮山クリーンアップスタート

クリーンアップ活動は、姫島を囲む海を守る学習がきっかけで、2004年に始まりました。当時の子どもたちが、「海の豊かさを守るには山を豊かにすること」が大切だと知り、活動につながったそうです。それ以前から島の清掃に協力していた九電グループの社員と地域も参加し、現在も続く恒例行事になっています。
11月6日の午前9時、校舎周辺に子どもたち、PTAや地域の人たち、九電グループの社員27名が続々と集まりました。まず教頭の臼杵先生が子どもたちに対し、鎮山の頂上は「遠見番所」と呼ばれ、江戸時代の鎖国中に外国船を見張った場所だったこと、今も観光客が山頂まで来ていることを話し、「鎮山がどういう場所なのか考えながら清掃してほしい」と伝えます。

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(写真:鎮山がどのような場所なのかを出発前に伝えた)

その後「みんなと仲良く最後まで頑張る」「観光客の人が気持ちよく登れるようにしたい」「低学年のお手本になれるように」など子どもたちからめあての発表があった後、活動がスタート。別々のルートで山頂へ向かう2班に分かれ、竹ぼうきなどの道具を持って出発しました。

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(写真:先生を中心に、活動が安全に行われるよう確認する)

大人の協力を感じながら 登山道を進む

登山道へ向かう道の両脇は、大勢の地域の人たちによる草刈りが始まっていました。先生と子どもたちは「ありがとうございます」「よろしくお願いします」と声を掛けながら進みます。

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(写真:あちこちで地域の人たちが参加)





今回のクリーンアップに初参加の1年生から、何度も経験した中学生までさまざま。先生と高学年の子どもたちが先頭に立ち、班を引っ張ります。
登山道は大雨で削られ狭くなった箇所も多く、1列で慎重に進みます。「前より汚くなった気がする」とつぶやく子どもも。イノシシが山全体を走り回り、石や落ち葉が散乱するのが原因だそうです。イノシシの影響は年々増加していて、登山道は歩きにくくなっています。落ち葉がたまっている場所、石が転がっている場所があると立ち止まり、それらを端によけていきます。

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(写真:1列になって進む子どもたち、先生、九電グループ社員)

活動が進むにつれ、落ち葉を集める人、抱えて脇へ運ぶ人と自然に役割分担が生まれました。竹ぼうきを初めて使うという女の子は「軽くて使いやすい」とテキパキと落ち葉を集め、「これをお願いします」と先生を呼びます。伸び過ぎた木のかずらなど、子どもたちでは対応が難しい箇所は、先生や九電グループの社員が対応しました。

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    声を掛け合いながら登山道を整備する様子

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    役割分担してテキパキと整備する様子

PTAや姫島の青年団の人たちは、子どもたちが安全に活動できるようにと、先回りして危険な箇所の整備を進めます。何度も鎌やチェーンソーを持った大人とすれ違う中で、子どもたちが「お父さんだ!」「がんばってね」と声を掛ける場面もありました。

山の変化を観察し 頂上へ向かう

途中、約50年前には山の中に広がっていたという段々畑の跡がありました。「ここまで登るのも大変だっただろうね」と先生と子どもたちが当時に思いを馳せます。入山から約40分、休憩所の展望台に到着しました。子どもたちに追いついた九電グループの社員に「すごいね、よく登れるね。きつくなかった?」と声を掛けられて、はにかむ子どもたちに、周りも自然と笑顔になります。

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(写真:休憩所にてほっと一息)

最後の階段を越え、スタートから約1時間で頂上へ。先に到着した班の子どもたちは、先生たちとどちらが山頂をきれいにできるか勝負をしています。到着したばかりの子どもたちも、休憩もそこそこに加わりました。「先生、ムカデがおるー!」と呼ぶ子どもに、「そっとしといてあげて。入ってきているのは私たちの方なんやけん」と言う先生。その言葉に自然との共生を願う思いが滲みます。美しくなった山頂から望む景色を背に、記念撮影をしました。

高学年の声がけでリード けがなく下山

下山するときは、最後まで全員けがをしないように「この石はグラグラするから気をつけて」など、先頭を行く高学年が中心になって声を掛けました。全員無事に下山すると、草で覆われていた旧小学校跡地は九電グループと地域の人たちの協力で見違えるようにきれいになっており、歓声があがりました。終わりの会では志摩中学校姫島分校の生徒会長が挨拶をし、子どもたち全員で関わった人に対して感謝を伝えました。

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    丈が高かった草もすっきり

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    活動を振り返って挨拶をする生徒会長

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    地域の人や九電グループの社員に感謝を伝える子どもたち

小学校1、2年生の複式学級ではさっそく活動を振り返ります。「きつかったー!」と笑いながらも、感想を聞くと「ふるさとの山がきれいになってうれしかった」と達成感を味わっている様子。「いろんな植物があったよ」と、活動中に見つけた植物を興味深そうに広げ、鎮山に親しんだ様子も見られました。

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(写真:真剣な顔つきで感想を書いている様子)

    子どもたちの声

    • 登山道は春に登った時よりも汚れていると感じました。活動をずっと続けていけたら良いと思います。
    • みんなと協力して、落ち葉や枝の掃除を頑張りました。去年よりもテキパキと行動できて、下級生のお手本になれてよかったです。
    • 頂上や展望所まで観光客が気持ち良く登れるようになって良かったです。来年もこの調子でもっときれいにして、「姫島の山はいいですね」と言われたいです。
    • 大人が大きい木を切ってくれて、すごいと思いました。九州電力の人たちは、ボランティアで来てくれて、鎮山をきれいにしてくれたのでありがたいと思いました。

    先生インタビュー

    先生たちにお話を聞きました。

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    (写真:森校長(右)と臼杵教頭(左))

    今回の活動の目的・ねらいを教えてください。

    • 「協力して鎮山を清掃し、小中の縦の交流を深める」「故郷の自然を守り、地域に貢献する」「島の人、九州電力ボランティアの人と共に行動し、親しくなる」の3つを目的に掲げました。3つの目的を伝えたうえで、子どもたちが自分のめあても決めました。毎年の恒例行事ではありますが、やらされているのではなく「自分たちがするんだ」という気持ちを持ってほしいと思っています。
    • 鎮山は春の歓迎登山で登りますが、普段登ることはなく、子どもたちも鎮山や姫島について知らないことが多いです。故郷を知る機会にもしてほしいです。
      また、上級生には下級生のお手本になってほしくて、“言葉で伝える、姿でも見せる、次に伝える”と普段もよく話しています。少人数ならではの、一人ひとりの責任感を持ってくれるとうれしいです

    ただ歩くだけでも大変な箇所もありました。事前準備はどのようにしましたか。

    • 10月末と11月上旬に、教師が山に入って下見をしました。1回目の下見の後、地域の人に状況を伝えたら、ありがたいことに2回目の下見前に、子どもたちがけがをしないようにと草刈りをしていただいた場所もありました。実は、毎年この時期に、草刈りのためだけに姫島に来てくださる人もいて、とても助かっています。

    活動を通して子どもたちに最も期待することは何ですか。

    • 鎮山が姫島のみんなに大切にされている山と理解し、子どもたちにもその気持ちを持ってほしいです。

    • 誰かのためになる活動だということも実感してほしかったので、子どもの感想の中に「観光客が気持ち良く登れるようになって良かった」とあり、大変うれしいです。地域とつながる行事としても、今後も大事にしてほしいです。

    今後のSDGs学習の展開を教えてください。

    • 鎮山の看板(登山口や「あと何メートル」など)を新しくしたいと話しているので、来年度以降に検討中です。
      また海洋教育を通して、子どもたちに故郷の海を宝と思ってほしいし、周りにも大切にしてもらえるように広めてほしいです。持ち込みゴミのポイ捨てが増えているのでポスターを作って船に貼ったり、堤防に絵を描いたりするのもいいかなと考えています。
    • ハマユウの花の研究をしている子どもがいて、ハマユウロードを作りたいと道沿いに種を植えたので、その成長をみんなで楽しみにしています。
    • いろいろな活動を進めることは、「14.海の豊かさを守ろう」、「15.陸の豊かさも守ろう」だけでなく、「11.住み続けられるまちづくりを」にもつながると思います。
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    (写真:校舎前防波堤の子どもたちからのメッセージ)

    保護者へのインタビュー

    PTAとして活動する保護者にお話を聞きました。(2人の発言を保護者の発言として記載しています)

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    (写真:PTA会長の吉村さん夫妻)

    今回PTAや地域のみなさんは、活動にどのように関わりましたか。

    • 私たちPTA10名以外に、青年団や地域の人たちが草刈りや枝の伐採などを協力してくれました。今日は海が時化だったので、漁師のみなさんも参加してくれました。
    • 自分も青年団の時から、草で覆われた頂上を切り開いて景色が見えるようにしたり、切った竹やぶの竹で手すりを作ったりと整備をしてきました。今は PTAとして、子どもでは危ないところの草刈りなどをしています。人数が少なくなって5世帯10名の保護者なので、たくさんの人に手伝ってもらえてありがたいです。

    多くの大人と協力して行うクリーンアップ活動は、SDGsの学習としてどう考えますか。

    • 地域の人たちは普段から学校行事に参加してくださるし、逆に地域の清掃や行事などには子どもたちも一緒に参加しています。
    • 今回の活動も同じで、子どもたちも自然に協力するものという意識を持っていて、SDGsの学習としても良いことと思います。協力し合うのは当たり前のことだと捉えていると思います。

    パートナーシップを自然と感じられているのですね。これから子どもたちに期待することはありますか。

    • 海洋ゴミ、ハマユウ、ウニとそれぞれテーマを決めて研究をしている子たちが、文化祭で発表しました。先生たちの声掛けが上手で、やる気を持って学べているため、とても良いことだと思っています。頑張ってほしいです。
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    (写真:木に登り整備をする様子)

    九電グループさんへのインタビュー

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    (写真:九電グループの中村さん(右)と又丸さん(左))

    この活動に関わったきっかけを教えてください。

    • 元々は九電が地域貢献で姫島とつながり、年に2回、地域の人たちとの清掃を始めました。そのあと「こらぼらQでんeco」という、地域とコラボして課題解決に取り組む動きが本格的になり、コラボの相手先として引き続き活動に参加しています。地域の発展なくして九電グループの発展はないので、地域だけでは解決できないところに協力しています。

    クリーンアップ活動が始まる前からつながりがあるんですね。今回はどのように関わりましたか。

    • 今年は九電グループの7社から、主に初めて参加するメンバーを募って、27名で参加しました。子どもたちと一緒に清掃するグループ、旧小学校跡地の草刈りをするグループに分かれ、活動しました。旧小学校跡地の草が、去年よりも随分丈が高くなっていて驚きました。島の人たちだけでは大変だろうと改めて思います。

    クリーンアップ活動はSDGsの学習として、どのような意味を持つと思いますか。

    • 島以外の大人と触れ合う機会という意味でも良いと思います。子どもたちと島の人だけでは難しいことなので、これからも協力を続けていけたらと思っています。

    子どもたちへメッセージをお願いします。

    • 姫島の素晴らしい自然の中で生まれ育ったことに誇りを持ち、いつまでも故郷を忘れずに未来につなげてくれたらうれしいです。

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