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【SDGs認知・共感促進事業】二丈中学校の取組を取材しました!
更新日:2025年2月12日
糸島市は令和5年度に「SDGs未来都市」に選定され、「糸島市SDGs未来都市計画」に基づく取組を推進しています。SDGsの達成には、市民・団体・企業など、皆さん一人ひとりの行動が必要不可欠です。
そこで、令和6年度から令和7年度にかけ、「SDGs認知・共感促進事業」を実施することとしています。
市内で活動する市民・団体・企業等のSDGsに関する取組を取材し、情報発信することで、SDGsに関する取組の“認知”と“共感”を促し、SDGsに対する市全体の意識を高め、一人ひとりの行動変容につなげていくことが目的です。
令和6年度は、市内の各小中学校における取組を取材しています。
「SDGsとよく聞くけれど、具体的になにをすればいいの?」と疑問を抱かれている方も、今回発信していく取組を参考に、身近な課題の解決に向けた行動につなげていただければと思います!
- 「SDGs未来都市」選定時のページは、こちら
【二丈中学校】「自分らしく生きるために」多様な性をテーマに人権学習
二丈中学校は海と山が近く、周辺には田畑が広がる自然豊かな環境にあります。職員室には時々カニが遊びに来るほどです。令和6年度の教育目標は 「『自ら気づき・考え・行動する』、地域を愛し、心豊かでたくましく生きる生徒の育成 」。地域とのつながりが強く、多くの生徒が自主的に地域の祭りや行事に参加しています。
12月7日に校区事業として開催された「あったか二丈人権を考える日」に合わせ、各学年で人権学習が行われました。
2年生はゲストティーチャーに糸島出身の東条柳(とうじょう やな)さんを迎え、多様な性について学びました。
「もしも心と体が違ったら?」の問いから考える多様な性
「今自分らしく生きていますか?」の問いに95%近くの生徒が「生きている」または「だいたい生きている」と回答していました。
「どんなときが自分らしく生きていると感じますか」の問いには「好きなことをしているとき」、反対に「自分らしく生きていないとき」は「意見を否定されたとき」という回答がありました。
吉元先生は「心は今のまま、体だけが逆の性別になってしまったら?1.あなたならどうする?、2.困ることはないでしょうか?、3.どうしたら解決するでしょうか?この3つをまずは自分で考えてみましょう」と問いかけました。
発表では「スカートを履いてみる」「温泉やトイレなど、公共的な施設の利用に困る」「友達との関係性が難しくなりそう」「周りに受け入れてもらって、あとはポジティブに考える」などの意見が聞かれました。吉元先生が「実際に心は女性だけど体は男性、またその逆の人もいます」と話すと、生徒たちは静かに耳を傾けていました。
吉元先生は多様な性のあり方に関わる4つの要素であるSOGIE(ソジー)や、LGBTQ+について説明します。
「実際に、13人に一人がLGBTQ+に該当すると言われています」と話すと、生徒たちは驚いた様子で、身近なこととして受け止めたようです。
(写真:前半は吉元先生が授業を担当)
いきなり質問タイムからスタート
次は、ゲストティーチャーの東条さんにバトンタッチです。東条さんはアーティストや歌手、俳優として活動しています。「今日は、自分らしく生きるためにどうしたら良いのかを、みんなに考えてもらえたらと思います」と話し始めました。
「では、さっそく質問タイムです。僕を一目見たときにどう思いましたか?周りの友達と相談してもいいので、質問を考えてください」。突然の問いかけに、生徒たちは周りの友達と話し始めます。
明るく生徒たちに話しかける東条さん
「何を聞く?」と周りの友達と質問を考えた
「うーん、難しいな」と悩む生徒たちからの質問は「何色が好きですか?」「好きな食べ物は?」「何でサンダルなんですか?」。東条さんは一つひとつの質問に丁寧に答え、最後は「質問ありがとう、拍手!」と質問した生徒に感謝の気持ちを伝えました。
東条さんは最初に質問タイムを設ける理由について「第一印象と、これから内面を知っていくにつれての印象がどう変わるのかを感じてほしいから」と語りました。
カミングアウトを通じて考える「伝えること」「受け止めること」
東条さんは志摩中出身であることや家族構成の話をしながら、自分は男性であること、LGBTQ+のどれに該当するかなど、包み隠さず伝えました。また周りの人に伝えるカミングアウトの難しさについても話しました。
実際に東条さんがカミングアウトしたのは、中学2年生のとき。
仲の良い女友達2人に話したところ、「応援するよ!」と言ってくれたそうです。「素敵な友達に恵まれたなと思いました。この日をきっかけに、この気持ちは隠さなくていいんだと前向きになれた」と振り返ります。
また、深刻に話すと相手が「助けてあげなきゃ」と感じてしまうかもしれないので、明るく前向きに伝えるよう心掛けたと言います。
一方、家族へのカミングアウトは20歳のとき。
2人の姉、母親と順番に伝えましたが、父親にはまだ直接話していないとのこと。ただ、東条さんが多様な性をテーマに舞台を制作した際、今まで一度も舞台を観に来なかった父親が初めて観に来てくれて「一番良かったよ」と言ってくれたそうです。東条さんは「初めて観に来たのにね」と笑顔を見せつつ、「多分気づいたと思うけど、父親にはあえて伝えないという選択をしている」と話しました。
また東条さんは「望まないカミングアウト」についても説明しました。
「知らない人に勝手に知られること」は当事者にとって辛いことであり、例えば自分が男性で、同性に告白された場合、そのことを周りに話してしまうとあっという間に話が広まり、告白した相手を深く傷つけてしまうと話しました。
東条さんは「勇気を持って話してくれた言葉に対しては、しっかりと受け止め、認めてあげてほしい。そこから何を選択するかは自分の権利です。相手を否定しないでほしいなと思います」と語り、生徒たちは真剣な表情で聞いていました。
(写真:生徒たちは顔を上げて真剣に話を聞いていた)
踏み込んだ質問タイム、当事者が直面する日常の問題
ここで再び質問タイムとなり、「もっと深い質問、踏み込んで聞きたいことはないですか」と東条さんが投げかけると、生徒たちは最初の質問よりもさらに悩んで考えます。
やっと出た質問は「恋人はいますか?」。東条さんは真摯に答え、クラス全員で質問した生徒に拍手を送りました。
東条さんは自身が中学生の頃、修学旅行でみんなと一緒に入浴ができず、先生の部屋のシャワーを借りた経験や、男性、女性、多目的トイレのどれを使うかなど、これまでに直面した問題などについても率直に話しました。
東条さんからみんなに伝えたい「3つのこと」
東条さんは、今日の話を踏まえて3つのことを持ち帰ってほしいと生徒たちに伝えました。
1つ目は、前向きに自分の気持ちを伝えること。
2つ目は、受け入れる側は相手を否定しないこと。
3つ目は、「大丈夫」という言葉について。
自分自身に向ける「大丈夫」という言葉は、ときに強がりな言葉になってしまうことがあるけれど、人に言われる「大丈夫」は温かく、安心する言葉になると生徒たちに語りました。
最後に東条さんは、自身が作詞した歌を2曲歌いました。1曲目はアカペラで「Myself」。
「自分と人を比べ、他の人はできるのに何で自分はできないんだろうと落ち込むことがあるかもしれない。でも朝が来たら、きっと前向きに生きていける」。そんな思いを込めて作った歌だそうです。
- 歌詞の一部
「I Lie…移ろいやすいMyself
このままゆっくり落ちてまた朝になって
何事も無かったように目覚める。」
