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「KOBORI KAORU 創作人形展」インタビュー
更新日:2019年5月24日
愛と温かさを感じられる繊細な人形たち
今回は5月21日(火曜日)から5月26日(日曜日)まで開催されている「KOBORI KAORU 創作人形展」をインタビューさせていただきました。
糸島市在住の、こぼりかおるさんによる創作人形の作品展です。
色とりどりの人形たちが美しく並ぶ今展示会は、新聞にも取り上げられ、多くの来場者で賑わっています。
こぼりさんは、一年前に亡くなった韓国政府外交官の夫とともに長年にわたり世界各国を旅し、40歳の頃から独学で人形作りを始めるようになりました。この人形展は、約20年にも及ぶ創作活動の集大成でもあります。
手前の展示室には、紙で作られた人形が多数飾られています。
新聞紙の紙で形を作り、周りを染めた和紙等で固めます。乾かす時間なども含めて、約2~3週間で1体が完成するペース。
紙だけでなく、顔に木綿の布を貼ったもの、紙になる前の木材の繊維を材料に作られたものなど、多様な作り方が試されています。
表情豊かな人形たちの、交わす言葉すら聞こえてきそうな活き活きとした様子はとても可愛らしく、細部にわたるまでじっくりと眺めていられます。
小説や映画などからインスピレーションを得て、一気に取りかかって完成させることもあるといいます。
愛らしい子どもたちだけでなく、「羅生門」をテーマにして髪を手にしながら祈る老婆の人形など、制作者の頭に浮かびあがった光景が滲み出る作品も飾られています。
直近の作品は、ユニコーンらしき架空の動物にしがみつく幼子の人形。その子は、亡き夫とずっと共にいる自分をイメージして作られたものだそうです。
奥の展示室には、抱き人形が展示されています。
こちらの人形の顔や手は、電気窯で作成されたもの。一度作ってしまえば、同じモールド(型)から20体ほどの人形を作りだせるそうです。原発事故を機に電気窯での作成をとりやめ、現在は前述の紙人形の製作に力を注いでいます。
身体の部分は綿で作られており、針金で体が形作られています。 人形たちの着物や靴などは、細かいところに至るまで手作りされており、個性豊かな衣装を身にまとっています。ちょうどよく腕の中に収まりそうなサイズの人形に、1人1人名前がつけられているのも、大事に作り上げられた様子がうかがえます。
幼いころに聞いた母の言葉「必ず春は来る」を胸に刻んで、「春よ来い」をテーマに創作を続けている こぼりさん。人形たちの表情や質感に優しさを感じるのは、暖かな世界を望んで生きる心が現れているからかもしれません。
立体だからこそのインパクト、繊細なデザイン、穏やかな仕草と表情が全て噛み合った素敵な創作人形を楽しめる「KOBORI KAORU 創作人形展」は5月26日(日曜日)まで。ぜひ、伊都郷土美術館にお越しください。
次回のインタビューは5月末頃に更新予定です。
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